● 「告ハラ」は女性にとって脅威である
愛する人に想いを告げることは、何にも変えがたい尊い行為である。
しかし、その愛の告白を不快だと思う女性がいる。いったい、どういうことなのであろうか。
筆者の元には、複数の女性から告白に対する不満の声が届いている。
なかには、「セクハラだ」と感じる女性もいるようだ。
告白といえば、密かに想いを抱く相手を校舎の裏に呼び出して……といったものは、高校生までのこと。
大人の告白には、きちんと順序を踏んだ段取りが必要だ。
しかし、その地ならしをほとんど行わず、自分の想いを相手にブチまけるだけの告白が横行しているという。
いわば“告ハラ(告白ハラスメント)”である。
ある女性(20代)は、先日、知人の男性(30代)から告白された。
しかし、女性が男性と直接会ったのは3回だけ。
しかも、すべて友人が同席した飲み会だった。
ほとんど顔見知りレベルであるにもかかわらず、男性は自分の想いの丈を長文でLINEしてきたのである。
そこには、男性が女性に好意を抱いていること、二人の将来を真剣に考えていることなどが記されていた。
ちなみに、女性には彼氏がいる。
彼氏がいて、それを伝えているのに告白されてしまった自分を、女性は「脇が甘い部分があったのかもしれない。彼氏に申し訳ない」と責めたという。
しかし、思い当たる節がまったくない。
丁重に断りを入れた女性に「しない後悔より、する後悔を選んだ」と男性は告げたというが、「自分の気持ちを成仏させたいだけの、相手の気持ちを1ミリも考えない身勝手な告白は、暴力そのものですよ」と女性は強く憤っている。
● 告白は、性的なビジョンを相手と共有する行為
「しない後悔より、する後悔」と、あたかもそれが正しいかのように人は言う。
しかし、それは100パーセント自分の都合である。
相手の女性からは、知ったことではない理屈だ。
まるで自慰行為である。
少しは「された後悔」について想いを巡らせる必要があるだろう。
なぜ、ある人にとっては告白がセクハラになり得るのか。
それは、告白とは、強制的に相手との関係を作る行為だからである。
告白するまでは、赤の他人、知人程度だった二人も、どちらかが告白することで「告白した側/告白された側」の関係にはめ込まれてしまう。
自分の人生と交差することなんてあり得ないと思っていた相手が、強引に自分の人生の「当事者」になる。
それを暴力と感じる女性もいるのだ。
また、告白するということは、「相手と自分の人生が地続きであると想定して、相手にもそれを想像してもらい、是非を問う」という一連の流れを強いる行為でもある。
そこには、当然、性的な関係も含めた未来のビジョンが含まれる。
しっかりとした関係ができていない相手にそれを求めるのは、確かにセクハラに近いものがあるのかもしれない。
後略
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