優勝候補本命の大阪桐蔭(北大阪)に勝るとも劣らないタレントをそろえながら、横浜(南神奈川)がベスト8にも届かなかったのはなぜか。
16日の3回戦で大会ナンバーワン右腕の吉田輝星投手(3年)擁する金足農(秋田)に4-5の逆転負けを喫した。
「選手たちはよくやってくれたと思います。12安打で4点ですから、負けたのは全て私の責任です。まあ…、3回戦で負けるつもりはないチームでしたから、そこまで勝たせてやれなかった3年生には申し訳なかった」
平田徹監督(35)は試合後、そう声を絞り出した。
あるプロ球団のスカウトは「横浜のメンバーは、中学時代で言えば、大阪桐蔭にも負けないくらいのタレント軍団。順調には伸びなかったね」と失望を隠さない。
実際、横浜は第100回の記念大会となる今大会へ向け、主砲の万波中正外野手(3年)をはじめ、長南有航外野手(同)、この日先発した左腕の板川佳矢投手(同)ら、世代を代表する選手を集めていた。
いまや、今秋のドラフトで名前が呼ばれそうなのは、「万波は下位で引っかかるだろうけどね…」(前出のスカウト)という程度。
ドラフト候補6人、うち3人は1位候補といわれる大阪桐蔭には、大きく水を空けられた感が否めない。
痛恨の敗戦に悔し涙を流した万波は「3回目の夏の甲子園で、過去2回とも突破できなかった『2回戦の壁』は先輩方からよく言われていた。
3回戦という経験したことのない舞台まで来られたのは、チームのおかげです」と満足感をにじませた。3回戦で負けるつもりがなかった平田監督と選手の間には意識のズレがうかがえた。
横浜は今回、激戦区神奈川から同校史上初の3年連続出場を果たしたが、夏の優勝は松坂らを擁して春、夏、国体の3冠を達成した1998年までさかのぼる。
その後、大阪桐蔭は2008、12、14年と3度制覇。20年の長きにわたる雌伏の期間が、横浜から王者のメンタリティーを失わせてしまったのかもしれない。かつての輝きを取り戻す日は来るのだろうか。(片岡将)
優勝候補本命の大阪桐蔭(北大阪)に勝るとも劣らないタレントをそろえながら、横浜(南神奈川)がベスト8にも届かなかったのはなぜか。16日の3回戦で大会ナンバーワン…