25
匿名さん
やがて、ゴリラがいるドラム缶の中に
太いホースが突っ込まれた。
ホースはちょうどコーラの500mlの缶ぐらいの太さで、間抜けにも俺は、
「ああやっぱりコンクリートか」と思っていた。
そのホースの先は妙な容器に繋がっていた。
俺たちの身長くらいある足の長いキャスターの上にある、服とか小物を入れる大きなプラスチック製の収納ケースのような容器に繋がれている。
「おい何だよ、何すんだよ」
俺はつま先からつむじまで震えていた。
作業が終わったのか、
最終チェックらしきものを終えた子分たちはこっちに目線を向けた。
そして意外なことを言った。
「おい、きつかったら目を閉じてろよ。頑張れ」
一体何が始まるのか、
何でそんな優しい言葉をかけるのか分からなかった。
ドラム缶のゴリラ。
その目の前にいる自分。
「じゃあ俺たち行くわ、頑張れよ」
と言って子分たちはそのキャスターに付いていた
レバーを引いてそそくさと出て行った。
24
匿名さん
アニキは甲高い声で一気にそうまくし立てると、傍らの子分に声を掛けてそこから出て行った。
俺はこれから始まることへの不安から、震えが止まらなくなっていた。
恐怖に心の底から震えてしまっていた。
俺は無理矢理椅子に座らされ、
例のビニール紐でグルグル巻きにされた。
そのまま二人の子分に椅子ごと抱え上げられ、
ゴリラが入っているドラム缶の前に置かれた。
ゴリラの顔の前から、
50cmくらいしか離れていなかった。
ゴリラはうーうー唸ってた。
俺も最早抵抗する気は起きなかった。
ただ早く開放されることだけを祈っていた。
五人の子分たちが、
自分の周りで何やら作業をしている。
いかにもな風貌の男たちは、
嫌々動いているように見えたのは気のせいじゃない。
23
匿名さん
主寝落ち?!
22
匿名さん
主さんゆっくりでいいからね
見守ってるよ
21
匿名さん
×またか
○まさか
20
匿名さん
19
匿名さん
あれ?続きは?主~??
18
匿名さん
4の途中で辞めた
読み物として苦痛
17
匿名さん
>>3まで読んで良い話だったので
>>4以降読むのやめた
16
匿名さん
子分たちはゴリラをドラム缶に4人がかりで入れた。
ゴリラは全く抵抗をしないで、
すんなりドラム缶に入れられてたように見えた。
アイツにできることはうーうー唸るだけだった。
「いいこと教えてやるよ、お前が捕まったのはコイツのせいだ。
デリヘル頼んだんだよ。笑えるだろ? 自分から俺たちに場所を知らせてくれたんだわ」
俺はゴリラの厚かましさに呆れると同時に、無用心さに腹が立った。
(逃げている最中に何てことしやがるんだ)
「あんな端金はもういい。コイツには落とし前をつけてもらう。俺たちをおちょくりやがったってことが大問題なんだ。俺たちはなめられたら終わりなんだよ。なあ、おい。お前がどこの誰かなんてことはどうでもいいんだ。コイツと一緒に俺たちをコケにしたのかどうか、それが聞きてえんだよ。お前がウチの事務所から金をパクってないってどうやって証明するんだ?これからお前はコイツとしばらくいてもらう。その後にもう一度だけ質問する。いいか?どれくらい掛かるかわからねえけど、しっかり考えろよ?まあ個人的には同情するぜ」
15
匿名さん
途中で読むのやめて、一番下までスクロールした
14
匿名さん
自分が墓穴を掘ったことを理解して、
俺は黙った。
「…数日も一緒にいるんだから、
ソイツが何をしてどんなヤツに追われているかぐらいは知っていてもおかしくないだろ?」
だが、俺はビラ刷りの会社の社員だったから、
もっと細かい内情を知ってしまっていた。
それの罪悪感から黙ってしまったのだ。
「まあいいや、おい」
甲高い声のアニキは近くにいた子分たちに声を掛けて、
何やら準備し始めた。
そいつらはゴロゴロ何かを転がして、
ゴリラの近くにそれを置いた。
ドラム缶だ。
「まさかこいつら、ゴリラをコンクリート詰めにでもするのか」
と俺はお気楽なことを考えていた。
コンクリート詰めで済むのなら良かったのだが…。
13
匿名さん
ゴリラはこっちに気付いてない様子だった。
俺はガムテープを一気に剥がされ、
さっきのアニキに甲高い耳障りな声で質問された。
「おい、お前コイツとどういう関係なんだ?」
ここの答えを間違ったら、
俺もゴリラみたいになるってことは良く分かった。
俺はゴリラとパチンコ屋で知り合って、
その縁から家に居座られたことを説明した。
甲高い声のアニキはあまり聞いてないように見えた。
「本当か?助かりたいからって嘘ついてねえか?」
俺は全力で否定した。
「確かにスロ仲間でメシ食いにいくくらいの仲の良さではあったが、金を盗んだりはしてない」
ということを強調した。
だが、これが裏目に出てしまう。
「なんでお前、コイツが金パクったって知ってるんだ?」
12
匿名さん
説明しようにも口にガムテープが
グルグル張られててモガモガ言うことしか出来ない。
向こうとしても、俺の存在は謎だったらしい。
「取りあえず場所変えるぞ」
と、さっきの甲高い声のアニキが周りの子分に指示した。
俺はそのまま目隠しされ、
真っ黒い窓のないバンのような車に乗せられた。
時間の感覚があいまいだったが、
一時間くらいは走っただろうか。
バンを降ろされ、歩かされ、
目隠しを取られた目の前には全裸のゴリラがいた。
コンクリートの床に寝転がされた
ゴリラはうーうー唸っている。
たまにごほごほ咳き込んでたが、
意識は混濁してるように見えた。
鼻の位置と頬の位置が同じに見えるくらい
顔がパンパンに腫れ、体中が青とか黒とか
様々な色の斑点が出来ていた。
おそらく殴られすぎて、
色々なところが内出血してるのだろう。
11
匿名さん
わけも分からないまま、口にはガムテープ、
手と足は梱包用のビニール紐で縛られている。
紐は手に食い込んで痛み、
何か熱を持ってるみたいに感じた。
手と足のビニール紐を一つに縛り上げられて、
俺はゴロンと床に転がされた。
そこまでの動作からして本当に手馴れたのだった。
抵抗しようにも手と足の動きが
封じられていてどうにもできない。
俺はヤバイヤバイという気持ちが
頭の中で一杯だったが、
ゴリラがいないことに気付いた。
そして、その中の責任者らしき
アニキ風な男が床に転がった俺を見て話し始めた。
妙な発音の異常に甲高い声で
耳にキンキン響く声だった。
俺は、悪魔の声ってのは、
ああいう声なんだと思った。
「お前、アイツの仲間か?」
俺は大袈裟に首を横に振った。
床に頭がゴンゴン叩きつけられたが、
そんなのに構ってる場合じゃない。
「ここお前の部屋だろ、
仲間じゃないなら何なんだ?」
10
匿名さん
俺にとってそれから数日間は精神的にきつかった。
昼は仕事でゴリラの顔を刷る。
筋モンが新しい情報を入れろと言うので、次々に新しいビラを作る。
疲れてアパートに帰ればゴリラがいる。
もう俺の生活はゴリラだらけだった。
最初の内は畜生でも罪悪感があったのかゴリラは大人しかった。
けれどやがて部屋にこもるのが飽きたのか、色々注文つけるようになっていった。
やれコーラが飲みたいとか、雑誌買って来いとか、
ラーメン食いたいとか。
俺はとにかくゴリラに早く出てって欲しかった。
そして案の定、遂にゴリラは背中に絵が描いてある
怖い飼育員たちに捕獲されてしまう。
ある日、帰ってきた俺が部屋の玄関を開けた瞬間、
何者かに襲われた。
また随分古いネタを
身の程知らずにも高級クラブのおねえちゃんに金を貢ぎ続けて、借金しまくったらしいのだ。
俺はそれより早く出て行って欲しい
という気持ちが強かった。
自分がマークされてる確証はないが、
万が一ということもある。
溺れるものは藁をも掴むって格言、
誰が考えたのだろう。
ゴリラは俺を渾身の力でガッシリ掴んでいた。
あげくに
「もしここから追い出してオレが捕まったら、共犯者としてお前の名前出す」と俺を脅し始める始末。
「…マジどうすりゃいいんだよ。」
今になって冷静に考えれば、
さっさと筋モンに引き渡せば良かったと思うし、それが出来ないなら誰か上司とかに相談すれば良かった。
しかし、俺はそいつをかくまってしまったのだった。
おかげで足の小指を無くしてしまうのだが、それはまた後で話すとしよう。
結果的に、後々仲間というのは、嘘じゃないって証明されてしまうのだが。
…残念ながら、俺が仲間だと思ってるってことは、向こうもそう思ってたってことである。
次の次の日くらい。
夜中にそのチンピラが俺の家に来た。
ピンポンピンポン本当にうるさくて、
俺が苛立ちながらドアを開けたら、
そこにゴリラみたいないかついチンピラがいた。
そのゴリラが事情を説明するのだが、
俺は帰って欲しい気持ちで一杯だった。
ゴリラは結局俺の家に上がり込んで、
事情を勝手に話した。
やってしまった理由、
それはありきたりな話で借金だというのだ。
病弱な妹がいるとか、
潰れそうな施設に寄付するために必要、というのなら俺も同情したのだが…
そいつは女がらみだった。
俺としては会社が儲かるから事情はどうでもいいと思っていた。
しかし最悪なことに、俺とそのチンピラは連絡先も家も知っているスロット仲間だったのだ。
依頼主に写真見せてもらった時、俺はヤバイ!と思った。
頭の中で悪魔と天使がケンカしている。
「俺が一言言えば、この話はそれで終わりだ。住所と電話番号いま言えば、
すぐ終わる上に多分ボーナス出るぞ。」
悪魔が言う。
「いやまてそれでもお前は男か。
短い付き合いでも仲間は仲間だろ。
台譲ってもらったりメシおごってもらったりしただろ。」
天使が反論。
そんな風にグダグダ頭の中で考えてる内に、仕事をもう受注してしまっていた。
後悔よりも、「しーらね」ぐらいにしか考えてなかった。