多国籍企業の人事・財務コンサルティングを行うマーサージャパンはこのほど「2016年世界生活環境調査(QUALITY OF LIVING SURVEY) ―都市ランキング」を発表した。それによると、世界でもっとも”個人の安全度”が高い都市はルクセンブルク、次いでベルンとチューリッヒ(スイス)が同順位で2位となった。日本では、東京、大阪、名古屋、神戸が32位に並ぶ結果となっている。
地域別でみると、ヨーロッパではルクセンブルクやスイスの各都市以外にもウィーン、ストックホルムなどがトップ10以内にランクされ、生活水準と安全性の高さが確認された。その反面、テロや社会不安の影響によってパリ(71位)、ロンドン(72位)、マドリード(84位)、アテネ(124位)などの主要都市がそろって低い順位に。また、米国ではトップ50にランクされる都市はなかった。
一方、アジアではシンガポール(8位)がトップ。日本の複数都市が32位となったほか、香港(37位)、台北(78位)、北京(97位)など。中東で最高位となったのはアブダビ(32位)だった。
なお、安全度の最も低い都市はバグダット(イラク、230位)、次いでダマスカス(シリア、229位)となっている。
この調査は、多国籍企業・組織が駐在員を海外に出向させる際の報酬の公平性を図るために実施しているもの。
同社では同調査を実施するにあたり、「多国籍企業は、生活水準の悪化や個人の安全度についての諸問題に対する駐在員への補償コストを測る正確なデータと客観的な方法が必要」と強調。「個人の安全度ランキング」は世界の230都市を対象に、国内情勢の安定性や治安、司法機関による職務遂行能力、外国との関係性などをもとに決定した。
世界でもっとも個人の安全度が高い都市はルクセンブルク、次いでベルン(スイス)とチ…