20代といえば、大学を卒業後、社会人として初めての就職先で仕事にも慣れ始め、ビジネスの本当のおもしろみが分かり始めるころですね。20代後半になれば、責任ある立場で後輩の指導にあたる方も出てくるでしょう。今回は同年代の懐事情が気になるみなさんに向けて、20代の平均年収についてさまざまな切り口でご紹介していきます。
■20代会社員の平均年収はどのくらい?
平成27年9月に国税庁から、毎年恒例の「民間給与実態統計調査」が公表されており、民間の事業所に勤務する給与取得者の平均収入が明確に記されています。その調査結果によれば、平成26年分の20代の平均収入は、20歳から24歳の場合には248万円、25歳から29歳の場合には344万円となっています。その内訳を男女別に見てみると、20代前半の男性の平均年収は265万円であるのに対し、20代後半の男性の平均年収は378万円と、100万円以上大幅にアップすることが分かります。一方、20代前半の女性の平均年収は231万円であり、20代後半の女性の平均年収は297万円となっていることから、男性ほどではないものの、着実に上昇傾向が見て取れますね。
■20代で高収入を望める職種は?
会社員といっても、所属する会社や部署、職種によって、年収は大きく変化するものですよね。とくに20代のなかで450万円前後の高収入を得られる職種は、営業系であれば銀行・証券の法人営業や不動産関連に加え、MR(医薬情報担当者)やITビジネス系の職種が挙げられます。また、エンジニア系の職種であれば、プロジェクトマネジャーやITコンサルタントが代表的なものとなっています。企画業務や事務系であれば、コンサルティング業務や経営・事業計画に携わることで、年収500万円も現実味を帯びてきます。
また、専門職としては、金融系のファンドマネジャーや投資銀行業務が代表的なものとして挙げられ、500万円台から600万円台の年収を20代で得ている人もいます。
■年収をアップするためにすべきこと
現在の勤務先で得られる年収に満足していないのであれば、早めに対策を講じることをおすすめします。仮に、現在の会社に勤め続けたいのであれば、昇格試験にチャレンジしたり、専門スキルを習得することにより、各種手当による年収アップを考えるのもひとつです。もし、自分のキャリアプランを考えたときに、違う会社を選ぶべきだと判断するのであれば、転職アドバイザーや転職サイトを活用して、積極的に転職活動を始めていきましょう。20代であれば、十分に新たな業界への転向も可能な時期ですので、少し貪欲になって自分の希望を叶えられるような勤務先を探す努力と工夫をするのも有意義な選択肢です。
また、転職のタイミングについては、ケースバイケースですので、慎重に判断する必要があります。次の転職先を見つける際に、現職での経験が有利に働くのであれば、ある程度現在の仕事を極めてから転職活動を開始するほうが、自らの市場価値を高められるため、大幅な年収アップを実現できる傾向にあるようです。
20代の前半と後半では、仕事に関する考え方も変わってくる時期かもしれませんよね。もし、会社員以外に目指したい職業があるのなら、その夢を実現する勇気が持ちやすいのも、20代ならではのメリットだといえるでしょう。年収アップとやりがいを求めて、計画的に行動してみてはいかがですか?
国税庁の調査から、20代会社員の平均年収を紹介している。20代前半の男性は265万円、女性は231万円となった。また、20代後半の男性は378万円、女性は297万円だった