虫歯の痛みが激しくなり、歯医者に向かう。レントゲンを撮った後口の中を歯科医が見て、「ああ、これは神経をとるしかありませんね」と宣告される。その後数か月にわたり毎週歯科に通っては、問題の歯にあけられた…
第一に、「口に張られている緑のシート」である。これを「ラバーダム」とよぶ。
そもそも論からいって、口腔内は不潔である。常に高温多湿で、細菌の数は大便より多い。ラバーダム使用の目的は、問題となる歯を一本だけ出し唾液等が患部に入るのを防ぎ、二次感染を未然に予防すること、そして消毒用薬品等を呑み込まないようにすることだ。
日本において、ラバーダムを使用しない理由は簡単である。「保険でラバーダム費用がカバーされない」からだ。
第二に「顕微鏡」である。
その際に感染部分を取り除く必要があり、例の「針のようなものを突き刺してチクチクする」のはこのときである。歯髄の枝分かれのしかたは個人差があり、それを全て肉眼で見分けられるはずがない。
顕微鏡が導入されない理由は簡単で、お馴染みの「保険適用ではない」からだ。
(略)気になる値段だが、HPに明示されている。前歯なら9000バーツ、奥歯15000バーツである。現在の1バーツ3.6円のレートで計算すると、それぞれ32400円、54000円である。
一見高く見えるが、週に一度二千円、半年間払い続けるとすると、2000×24で48000円、実は大して変わらないのである。かたや無痛で一週間弱、もう片方は「有痛」「不潔」「下手くそ」「再発あり」で半年間、どちらがいいかもはや議論の余地は全くない。