故志村けんさん笑顔いつまでも
志村けんさんの鉛筆画を手にする古谷さん=北日本新聞社
■富山の古谷さん 追悼の鉛筆画 兄に贈る
富山市山室荒屋の鉛筆画家、古谷振一さん(56)が、新型コロナウイルス感染による肺炎で亡くなったタレント志村けんさんを描いた。完成した作品は志村さんの兄知之さんに贈り、長年にわたりお茶の間に笑いを届けた志村さんの冥福を祈る。
古谷さんは自身のツイッターで定期的に鉛筆画の題材となる人物を募っており、志村さんの絵を望む声が相次いだことから、描くことを決めた。
遺影のような構図にならないようA4の紙を横長に使い、志村さんが笑顔で語りかける様子の写真を模写した。濃さが異なる9種類の鉛筆を使い分け、下描きを含めて12時間で描き上げた。「縁なし眼鏡を再現するのが難しかった」と話すが、モノクロ写真と見間違えそうな出来栄え。ツイッターとインスタグラムで公開している。
作品が完成した後、志村さんの兄知之さんの手元に届けようと思い立った。志村さんの所属事務所「イザワオフィス」に連絡したところ、知之さんに作品を受け取ってもらえることになり、事務所へ発送した。額縁には、志村さんが生み出した人気キャラクター「バカ殿様」をイメージして金色を選んだ。古谷さんは「志村けんさんにはたくさん笑わせてもらった。鉛筆画で感謝を伝えたい」と語った。