
26日に死んだゾウのはな子の飼育環境について、東スポが報じている。近年は、狭いコンクリートのおりに閉じ込められて独りぼっちだったという。その姿を見た外国人観光客がSNSに「世界一かわいそうなゾウ」と投稿した
戦後初めて来日したゾウとして人気を集め、26日に死んだ国内最高齢の雌のアジアゾウ「はな子」の献花台が27日、飼育されていた東京都立井の頭自然文化園(武蔵野市)に設置される。1947年にタイで生まれ、49年に上野動物園(台東区)に贈られた後、井の頭に移って来園者に親しまれてきたはな子。その飼育環境をめぐっては、あの人の施策を指摘する声も聞かれる。
はな子は26日午前8時半ごろ、室内で横たわっているのを飼育員が発見した。立たせようとしたところ、徐々に反応がなくなり、午後3時すぎに息絶えた。老衰とみられる。ここ2~3か月は体調が悪く、3月に予定されていた69歳の誕生会も取りやめに。心配し、元気づけようとするファン数百人が訪れて話題になった。
はな子はタイから上野動物園に贈られ、54年に井の頭へ。長らく“戦後復興のシンボル”として親しまれた。一方、56年にゾウ舎に忍び込んだ男性を踏みつけて死なせてしまい、60年には飼育員が踏まれて死亡するアクシデントもあり“殺人ゾウ”のレッテルを貼られたことも。鎖でつながれ閉じ込められるなど不遇の時代もあった。
近年は、狭いコンクリートのおりに閉じ込められて独りぼっちで生気なく立ち尽くす姿を見た外国人観光客が「劣悪な環境下に置かれた、世界一かわいそうなゾウ」などとしてインターネットのソーシャルメディアで取り上げると瞬く間に拡散され、はな子を保護区域に移す署名運動にまで発展した。
井の頭自然文化園が4月に発表したはな子の近況によると、同園では2011年からゾウの飼育方法を見直し、人が運動場内に入って行う「直接飼育」から、柵越しに接する「準間接飼育」へ移行した。それに伴い今年3月に運動場に安全柵が設置されたが、警戒心が非常に強いはな子は運動場に出てこなくなった。園は柵を撤去したが、4月21日の段階で室内から出ることはなかった。
動物ジャーナリストの佐藤栄記氏が指摘する。
「確かに、はな子の飼育場は10秒あれば端から端まで行けるほど狭い。3~4年前まで隣にあった熱帯園が老朽化で取り壊されて更地になり、2~3倍のスペースがあったので、舛添都知事の無駄遣いをこちらに充てれば増築も簡単だったのではないか」
政治資金の私的流用疑惑が次から次へと持ち上がり、火ダルマ状態になっている舛添要一知事。そもそも14年2月の知事就任後、カネの問題が取りざたされたのは高額な海外出張費がもっぱらだった。
随員多数、移動の機中はファーストクラスで滞在は高級ホテル。こうしたカネを節約すれば即動物園に充当されるわけではないにしても、それぐらいの資金を費やせば、はな子は晩年にもっとまともな環境で飼育された可能性があったということだ。
本来、ゾウは群れをなす動物だが、ゾウ同士の相性やエサ代が高くつくなどの理由から1頭飼育している動物園もある。佐藤氏は、「以前『市原ぞうの国』(千葉県市原市)のランディ(雌)を連れて1頭飼育のゾウがいる動物園を回る旅をした時、そこのゾウが(ランディが来たことで)安心して初めて横になって寝たのには飼育員も驚いていた」という。やはりゾウは仲間がいるに越したことはない。
佐藤氏は「東京でゾウを見たければ上野にも多摩にもいる。今日まではな子がいた場所に別のゾウやほかの動物を入れたりせず“永久欠番”として“六十数年独りぼっちのゾウが過ごした”歴史的場所として残してほしい」と訴えた。