ハンガリーの大学が発表したその年齢とは?それを超えた場合、影響は?専門家が深掘りする。
ハンガリーのブダペストにあるセンメルワイス大学が行った最近の研究によれば、女性にとっていわゆる“理想的な”出産年齢は23歳から32歳だという。
研究によると、理想的な出産年齢と比較したときに、胎児に非遺伝的な“異常”が発症するリスクは、22歳未満の出産で20%、32歳以上の出産で15%増加するといわれている。より若い母親が身ごもった胎児については、中枢神経系の疾患が最も顕著で、22歳未満の発症リスクは25%増加し、20歳未満ではさらに高いことがわかった。
医学上「高齢出産」といわれる年齢層では、赤ちゃんの頭、首、耳、目の構造的または機能的な異常が発生するリスクが倍増し、40歳以上の妊娠ではそれがより顕著であるという。また、胎児が泌尿器系に異常を持つ可能性も大幅(34%)に増加したという。
さらに、“理想的”な年齢層より高い場合でも低い場合でも、心疾患や口唇裂などが生じるリスクが高いことも明らかになった。なお母親の年齢による影響は、疾患によっても異なるとのこと。研究者たちは、生活習慣や環境、年齢が複合的に関与していると示唆するが、これらのリスク増加の原因についてはさらなる理解が必要であることを認めている。
では、この新たな研究はどのくらい正しいのか。この“理想的な”出産年齢について、私たちはどれほど深刻に受け止めるべきなのか。ロックウッド氏は、センメルワイス大学に敬意を表した上で、「この統計的に“理想的な”年齢層以外で妊娠した場合でも、心配する必要はありません」と付け加える。
彼女は、新生児に見られる健康リスクのうち、遺伝的なものではなく、今回の研究で調査されたリスクのように発達的なものは3〜5%程度であり、現代の手術技術により多くの場合は治療(あるいは防ぐことが)できると説明。
「わずかな可能性のわずかな増加とは、文字通りわずかなものなのです。新生児の健康に影響を与え得る発育要因の多くは、実は私たちがコントロールできるものであることがわかっています」「喫煙、アルコール、娯楽用薬物などは、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えますが、健康的な食事や葉酸、ビタミンD、適度な運動はすべて、赤ちゃんの健康にいい影響をもたらし得るのです」
「また、男性の健康状態やライフスタイルも妊娠の結果に影響を与えるため、“2人に責任がある”ことも忘れてはなりません」とロックウッド氏は話す。