「今から死ぬ」公衆電話から110番、警察保護直後に飛び込み自殺
東京都中野区上高田5丁目の西武新宿線新井薬師前―中井間の踏切付近の線路で4日午後9時50分ごろ、田無駅発西武新宿駅行きの普通電車に女性がはねられ、間もなく死亡が確認された。警視庁野方署によると、自殺とみられる。自殺願望を訴え、直前まで同署で保護していた60代女性とみて調べている。
同署などによると、電車の運転手は「女性が線路上に四つんばいになっていた。ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話している。この事故の影響で、最大40分の遅れが出て、1万2000人に影響した。
女性は4日午後6時半ごろ、「今から死ぬ」などと公衆電話から110番。同6時40分ごろ、署員が駆けつけ、同署で保護した。落ち着いたため午後8時25分ごろ、署員がパトカーで新宿区内の自宅に送り、入室を確認した。女性は一人暮らしだったという。
署員が自宅前で警戒を続けていると、女性は入室から2、3分後に家から出てきた。自宅にとどまるようにうながしたが、「近くの公園でタバコを吸うだけだ」と公園に向かった。署員が遠巻きに様子を見ていたところ、それに気付いた女性が「あんたたち、まだいたの?もう大丈夫だから帰って」と話したため、しばらく様子を見た後、引き揚げたという。
警視庁には、この女性に関し、13年8月から自殺願望を訴える通報や、線路内に立ち入る目撃情報が計21件あったという。
野方署の桑嶋康雄副署長は「女性が亡くなったことは非常に残念だが、署の対応は問題なかった」とコメントした。