少年の頭を素手でたたくのは、東京・多摩地域にある寺の住職。児童相談所は、暴行の疑いがあるなどとしてこの寺の立ち入り調査に入り、少年2人を保護した。寺で何が起きていたのか、日本テレビは、調査の前日に、その内部を独自取材していた。
■東京・多摩地域の寺で撮影された映像には、寺の住職が布団叩きで少年を叩く場面が映されていた。さらに、頭をたたく、ほほを平手打ち、耳を引っ張るなど生々しい暴行の様子が映されていた。
■暴行被害を訴える少年(15)は、住職による暴行は日常的だと訴える。耳や手などには暴行によってできたとみられるあざが残っていた。
■暴行が行われていたこの寺では、不登校や引きこもりなど悩みを抱える子どもたちを1日あたり7500円で預かり「体験修行」を行っているという。
■どのような修行が行われているのか。日本テレビは、寺に「体験修行」の取材を申し込み、少年らが保護される前日に撮影を行っていた。まず始まったのは読経。修行に来た利用者を前にお経を唱えているのは動画で暴行を加えられていた15歳の少年だった。
■15歳の少年「寺の人が今いなくて、(体験修業)つけられる人が。だから『これやれ』みたいな、住職に」―体験修行できた少年が寺の仕事を任されていた。この日、ほとんどの修行に住職の姿はなかった。
■日本テレビが、住職に修行の目的について聞いてみると「なんで不登校になったのかということの原因と我慢することをつけていく」「いろんなことがあって、自分のマイナスのこと、これを積極的にもっていきたい」と、意識改革などが目的だと話した。
■取材中に聞こえてきた怒号については「(Q:ちょっと怒っているときもあったが?)きょうはとんでもないことをやっちゃっている。ウソついたり、悪いことをやったら謝ればいい。これができない。悪いことをやったらだめだよ。ということが必要です」―それでも暴力はふるっていないと話す。
■さらに少年たちは、体験修行とは思えない作業も行っていた。夜10時頃、少年たちがやらされていたのは大量の領収書の整理だった。
■暴行被害を訴える少年(15)「たまに勉強しようと思って、写経のところ座ってしようとしたら、住職が『おまえ何やってるんだ』と怒って、『領収書の整理まだだろ』と言って、殴ってくるのでもう1か月以上勉強できない」
■また、食事にも大きな問題あった。関係者が撮影した寺の冷蔵庫には、賞味期限切れの食品があった。寺の職員によると、賞味期限が切れている食品を安く買ってきているという。
■また、食べ残した食材も再び容器に戻している。関係者や職員らは「メンマ酸っぱかったのは異常ですよね」「メンマはやめた方がいい。あれもたまにおかしなところがある」と話していた。
■取材した翌日、動画で暴行を受けていた少年たちが段ボールを抱え、寺から出てきた。
■保護された少年(15)「やっとです」「やっと帰れますよ」「うれしすぎて泣きそうです」
■警視庁は暴行に関する情報を把握していて、情報収集を進めている。一方、寺の住職は日本テレビの取材に対し、「やっていません」と暴行そのものを否定している。
詳しくは動画で。
少年の頭を素手でたたくのは、東京・多摩地域にある寺の住職。児童相談所は、暴行の疑いがあるなどとしてこの寺の立ち入り調査に入り、少年2人を保護した。寺で何が起きていたのか、日本テレビは、調査の前日に、その内部を独自取材していた。