金沢市教委が今年度、市立小・中・高校の全児童・生徒約3万5000人を対象に実施した、いじめに関するアンケートで、小学生と中学生のそれぞれ約3割が「いじめられる人も悪いところがあると思う」と答えたことが分かった。逆に「思わない」と答えた割合は、中学生が小学生より半分近く少ない全体の2割弱で、学年が上がるにつれ、いじめの原因が被害者にもあると考える傾向が強まる実態が浮かんだ。【中津川甫】
「いじめられる人も悪いところがある」との設問に、「思う」と答えた小学生は全体の29.1%。「思わない」34.1%、「分からない」36.8%だった。
中学生では「思う」が35.5%と小学生に比べて多く、「思わない」は逆に18%と少数派。「分からない」は46.5%だった。
市教委の西川茂治・学校指導課長は「どんな理由でもいじめは悪く、『思わない』が望ましい選択だ」と強調。結果について「学年が上がるにつれ、いじめられる側の言動など、きっかけを見聞きし、悪いと思うのではないか」と分析した。
一方、「いじめはどんな理由があっても絶対にいけないと思う」とした児童・生徒は小学生90.8%、中学生89.2%で、大半の児童・生徒は加害行為に厳しい見方をしている。
いじめ被害の有無については「今、いじめられている」が小学生6.9%、中学生1.3%、高校生0.6%。
いじめを受けた時の相談先としては、「誰にも相談しない」が小学生22.2%、中学生28.7%。その理由を尋ねたところ(複数回答可)、小学生では最多が「迷惑をかけたくない」で43%、中学生は「どうせ解決しない」47.9%で、中学生になると諦める生徒の割合が増えていた。