仕事中いきなり手紙を渡したりしてごめんなさい。
うちの家系はとにかく口下手の恥ずかしがりで、祖父も父親も本当に言いたい事の一つもろくに伝えられない馬鹿みたいに不器用な人間です。だからこうして手紙を書きました。
今回、彼女さんに別れたいと言われてから何度も何度も自問自答してました。
俺はこのまま黙って彼女さんが離れて行くのをボケッと見てて良いのか?と。まだ思いの全てを伝えてないのに。
俺は「誠実さ」とか「優しさ」とか曖昧なものしか取り柄がありません。イケメンでもないし背も高くないしお金持ちでも無いし若くないし、クールな二枚目でもありません。婚活に活かせると思ってたサーフィンも全く上達しません。
根拠の無い自信は全て吹き飛んでる、色んなことに挫折してきて疲れ切った、34歳のオッサンに見えたかもしれない。
でもだからこそ、俺は最後の自信の根拠である「誠実さ」を彼女さんに贈りたいと思います。
俺は彼女さんの事をこの先二十年後、三十年後も今と変わらず愛してます。今よりもずっとあなたのことを愛し続けます。
誓います。
元彼を忘れられない、一途で誠実ななあなたのことを尊い人だと思います。そのために俺と別れようなんて考えるほどその真剣な生き方を尊敬します。今の彼女さんの揺らぐ葛藤も過去も全て俺が受け止めます。全て責任を取ります。
だからもう苦しまないで、俺のところでもう一度安心してスヤスヤ眠って欲しい。朝にはまた抱き合って二度寝を楽しもう。
二十年後も、三十年後も。
彼女さんへの優しさと誠意を俺はここに誓います。
それでは、待ってます。