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[女性] 魚や豆類を食べると閉経時期が遅くなるかも
2018.7.9 , EurekAlert より: 記事の難易度 1
魚類や豆類の多い食事は、閉経を遅らせるかもしれない。一方、米やパスタ等の精製された炭水化物は、閉経を早める可能性があるようだ。英国リーズ大学からの研究報告。
これまでに、遺伝や行動、環境要因が閉経に影響を与えることが報告されているが、幾つかの研究では食事もそのひとつに挙げられていた。
研究チームは、英国女性コホート研究参加者で、イングランド、スコットランド、ウェールズに住む35-69歳の35,000名の女性を対象とした研究を行った。
体重の履歴や身体活動レベル、出産回数、ホルモン補充療法の使用などの情報を調査した。食物摂取頻度調査票に回答してもらい、毎日食べた食品を記録し、217食品の量を推定した。4年後に、閉経した時期について尋ねた。調査開始時と4年後の調査に回答した女性は14,000人でこの中の914人は、40から65歳で自然に閉経した。
閉経年齢の平均は51歳であった。
パスタや米等の精製された炭水化物の摂取量が1人前分(=茹でパスタなら230g、ごはんなら180g)増えるごとに、生活習慣などを調整した場合でも、閉経が1.5年早まった。
逆に、魚類が1人前分(=焼き鮭なら100g)増加すると3.3年、豆類(1人前はインゲンマメの甘辛煮で135g)の場合は、1.1年閉経が遅くなった。ビタミンB6と亜鉛の高い摂取も遅い閉経と関連した。
子どものいない女性では、ブドウや鶏肉の摂取と閉経年齢の遅さに関連があった。
卵子の成熟は、活性酸素に影響を受ける。これに対抗する抗酸化物質を含む豆類を多く食べることが、閉経までの期間を延ばした可能性がある。また、油の多い魚は、オメガ3脂肪酸が多く、体内で抗酸化能を刺激する可能性がある。
早期に閉経した女性は、骨粗鬆症や心疾患のリスクが増加するが、一方、閉経が遅い女性では、乳がん、子宮がん、卵巣がんのリスクが増加する、と研究者らは言う。
ベジタリアンは多くの抗酸化物質を摂取しており、肉類を食べる人と比べて動物性脂質の摂取量が少なく、より多くの食物繊維を摂取していたが、どちらもエストロゲン値の低下と関連があり、閉経の時期に影響する可能性があると研究者は示唆している。
出典は『疫学と共同体保健雑誌』。 (論文要旨)