匿名さん
能力が低い人は、自分の能力が低いことに気づく能力も低い
仕事ができず初歩的なミスの多い部下が、なぜか自信満々で、いくら注意やアドバイスをしてもなかなか本人の心に染み込んでいかない。つまり「デキない部下の方が自信たっぷりで、デキる部下の方がなぜか謙虚で不安が強い」――そう感じることはないだろうか。実は、そうした声は多くの職場で聞かれる。
「私の部下のB君なんですが、売り込み先に一緒に行った時、説明資料を使って相手に売り込むのですが、その説明が結構いい加減なんですよ。相手から質問されても、なんか質問内容とズレた説明をするんです。その場は、私が補足説明をして何とかしのぎましたが、いつもこんなふうなのかとわかり、呆れてしまいました」
(略)
何を言っても、B君は
「そうですね、わかってます」
「私もそう思ったんですけど、うっかり説明を飛ばしてしまいました」
「やっぱりそうですよね、なかなかわかってもらえなくて、どう説明しようか迷ってしまって……」
などと弁解がましいことを言うばかり。彼の言葉を聞いていると弾き返すような感じがあり、こちらの言葉を深く受け止めようとしない。
(略)
理解力というのは、物事を理解する能力のことだが、その低さが自己認知をも妨げるため、自分は能力が低いという事実、自分はきちんと仕事ができていないという現実にも気づかないのである。