21
匿名さん
×またか
○まさか
22
匿名さん
主さんゆっくりでいいからね
見守ってるよ
23
匿名さん
主寝落ち?!
24
匿名さん
アニキは甲高い声で一気にそうまくし立てると、傍らの子分に声を掛けてそこから出て行った。
俺はこれから始まることへの不安から、震えが止まらなくなっていた。
恐怖に心の底から震えてしまっていた。
俺は無理矢理椅子に座らされ、
例のビニール紐でグルグル巻きにされた。
そのまま二人の子分に椅子ごと抱え上げられ、
ゴリラが入っているドラム缶の前に置かれた。
ゴリラの顔の前から、
50cmくらいしか離れていなかった。
ゴリラはうーうー唸ってた。
俺も最早抵抗する気は起きなかった。
ただ早く開放されることだけを祈っていた。
五人の子分たちが、
自分の周りで何やら作業をしている。
いかにもな風貌の男たちは、
嫌々動いているように見えたのは気のせいじゃない。
25
匿名さん
やがて、ゴリラがいるドラム缶の中に
太いホースが突っ込まれた。
ホースはちょうどコーラの500mlの缶ぐらいの太さで、間抜けにも俺は、
「ああやっぱりコンクリートか」と思っていた。
そのホースの先は妙な容器に繋がっていた。
俺たちの身長くらいある足の長いキャスターの上にある、服とか小物を入れる大きなプラスチック製の収納ケースのような容器に繋がれている。
「おい何だよ、何すんだよ」
俺はつま先からつむじまで震えていた。
作業が終わったのか、
最終チェックらしきものを終えた子分たちはこっちに目線を向けた。
そして意外なことを言った。
「おい、きつかったら目を閉じてろよ。頑張れ」
一体何が始まるのか、
何でそんな優しい言葉をかけるのか分からなかった。
ドラム缶のゴリラ。
その目の前にいる自分。
「じゃあ俺たち行くわ、頑張れよ」
と言って子分たちはそのキャスターに付いていた
レバーを引いてそそくさと出て行った。
26
匿名さん
ここがどこなのか、
あの容器が何なのかを自分たちは知らない。
ボトッと、コンクリートにしては固い音がした。
その塊が落ちてきたのを皮切りに、
ざざざざざざっ、と流れるように
何かが容器から落ちてきた。
ゴリラはうーうー唸るのをやめ、
今度はぎゃあぎゃあ叫びながら、
身をよじるのに必死になっていた。
最初はホースがドラム缶の中に突っ込まれていて、何が中を満たしているのか分からなかった。
だがすぐにドラム缶が一杯になり、
その正体が分かった。
蟹だ。
こぶし大から、小指の爪くらいのサイズの蟹が、ゴリラの入っているドラム缶を溢れんばかりに満たした。
何でこんなことをするのか最初は分からなかった。
だが、しばらく身をよじっていたゴリラが咆哮にも似た叫び声を上げ始めた時に、俺は目の前で本当に50cmくらいの目の前で、その恐ろしさの意味を知った。
27
匿名さん
よく見ると…寿司を握っているではないか。
俺は自分の目を疑った。
だがしかし男達は延々と寿司を握り続けている。
思い返せば俺は昨日から何も食べていない。
目の前で握られる寿司に釘付けになっていて気付かなかったがドラム缶の後ろに黒い大きな箱のようなものが…
28
匿名さん
「おい、おい!!!助けてくれ!!
コイツら、オレの中に入ってきやがった!!!!」
ゴリラは脂汗を流し、
耳をつんざくような大声で
叫びながらも男に助けを求めた。
…蟹がゴリラの身体を食い破り、
内部に入ってきた…?
ゴリラは俺が動けないにも関わらず、
「ケツがいてえ!」とか、
「足が足が!」とか身体のパーツを
ことさらに強調してくる。
「やめてくれ。想像したくねえ。」
だが、目の前にいるゴリラは
最早叫び声とは言えない雄たけびを上げ続けてた。
そしてゴリラは何時間も叫んだ。
何時間とか何分とかどれらいの時間が経ったのかは
よくわからなかったが、そう感じた。
口の中に泡と血だまりができて、
目と鼻から血が出ていたが、
それでもゴリラは叫び続けた。
顔が赤から真っ青になっていき、
血反吐を蛇口の水みたいにげえげえ吐き始めたころに、
蟹たちは次の侵入場所に気付いたようだった。
蟹たちはゴリラの顔めがけ、
ギリギリと変な音を出しながら口や目に纏わり付いた。
ゴリラは叫び、首を振り続け、
ドラム缶に頭を叩きつけるが、蟹たちは許してくれない
29
匿名さん
俺はとても見ていられなかったが、
どうすることも出来ない。
身をよじって、よじった。
固定された椅子ごとドラム缶に体を叩きつけたが、
ゴリラの体重と蟹どもの重さでビクともしなかった。
俺の耳がゴリラの絶叫で痺れ、
音が聞こえ辛くなっていた。
最後に、げへ、という何とも間抜けな音を出し、
ゴリラは静かになった。
ガサガサとドラム缶の中で音が鳴り続けている。
ゴリラは痙攣したようにビクビク動いているが、
ゴリラが動いているのか、
中にいる蟹が動かしているのか区別が付かなかった。
目玉を押し出し、
ゴリラの中から蟹が出てきたところで
俺の意識も限界を迎えた。
30
匿名さん
けつまつばかりにキヲトラレこのときをたのしメナイめまい
31
匿名さん
昔ゴリラだった何かが蟹の動きに合わせて
動いているのを見て吐いた。
地獄がどんなところか知らないが、
あれより酷いところだとは到底思えない。
蟹どもはゴリラの体に纏わりつき未だに齧っていた。
ゴリラの体が傾き、俺にめがけて首が折れた。
その拍子にドラム缶から蟹があふれ出て、
目の前にある生きた獲物に標的を変えてきた。
俺は絶叫した。
足元にボトボト蟹どもが落ちてくる。
足に纏わり付く。
最初はくすぐったいくらいで、
次にかゆくなってきた。
椅子ごと体をよじってもどんどん男の足に纏わり付く。
その内、小指に激痛が走り、
自分の中にも蟹が侵入してきたことに気付いた。
ドリルで穴を開けられるほうが万倍もマシだろう。
蟹が爪をちょっとずつ引き剥がし、
俺の中に入る努力をしている。
脱糞し、失禁したが、
蟹は許してくれない。
喉が潰れようが、絶叫が何の意味もなかろうが、
俺は叫んだ。
しかし蟹どもは自分の体に入ろうとしている。
俺は気が狂うと思った、もう気が狂ったと思った。
32
匿名さん
甲高い声が聞こえて、
子分たちが叫びながら蟹を払い飛ばした時、
俺は安堵からか、ブツリと頭の中で音が聞こえて、
気を失った。
「おい、生きてるか!?おい!!」
頬を張られる感触で気が付いた。
目の前にいる甲高い声のアニキが
天使にも神にも見えた。
…足の小指がジュクジュク痛む。
小指だけで済んだことを歓喜して涙を流した。
「起きたか?」
甲高い声で俺に質問する。
俺は、あうあうと声にならない音を上げた。
「質問に答えろ。お前はコイツの仲間か?」
ドラム缶を指差し、
甲高い声の男は俺に質問した。
ねじ切れるほど首を横に振り、
鼻水と涙とよだれで窒息しそうになったが、違うことを伝えようとした。
33
匿名さん
アニキとその子分たちは、
流石に納得した様子で俺のビニールヒモを解いた。
足腰に力が入らなかったが、
小指の痛みで足がまだあることが分かった。
その後、俺はバンに詰め込まれ、
アパートの前で蹴り出された。
一週間以上、何も食べれなくなり、
外に出れなくなった。
どういう理由か分からないが、
会社の上司が見舞いに来て、
札束が入った茶封筒を置いて出て行った。
俺は思う。
「幽霊なんぞ可愛いもんだ。
蟹のドラム缶風呂以上に恐ろしいモンが、
この世に存在することを俺は知らない。」
おわり
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匿名さん
前に見たのはホラテラだったかなぁ。あそこも閉鎖されて久しいが。
35
匿名さん
いつの話ですか?
36
匿名さん
天使ってどんな格好してましたか?
人体を食い破って体内に侵入するような種類のカニなどいない。
小指をちょん切るくらいのヤツはいるかも知れんが。
ドラム缶に水を張ってカンディルを大量に放つって方が面白くて真実味があったかも。
そんなにカンディルを手に入れられるのかって疑問は残るが…。
カンディル・・・南米に棲息する人食いドジョウと言われる実はナマズの仲間。
ところで寿司は食ったのか?
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匿名さん
面白かった。時間があるときでいいので、また投稿してください。また読みたいです。
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匿名さん
お疲れ様でした
面白かったです
他の話あったらまた違うときにでもお願いします