匿名さん
「妻がいない老後」を考えたことはあるだろうか。熟年離婚といえば、これまで妻から離婚を切り出す例が多かったが、ここ最近、妻が“不用品”になる夫が増えているという。何が夫をそうさせるのか。決意したら、どんな手順が必要なのか。長生き時代の悩める夫に、賢い離婚術を伝授する。
* * *
「妻と別れて、本当の自分を取り戻せました」
横浜市在住の会社員、加藤武司さん(仮名・59歳)。30年以上連れ添ってきた3歳年下の専業主婦の妻と昨年、離婚した。離婚を切り出したのは、夫である武司さんのほうからだ。
「これから先、30年は生きる。人生まだまだこれからと考えると、妻と一緒じゃないほうが幸せだと思ったんです」
結婚は26歳のとき。当初は仲の良い夫婦で、2人の子どもにも恵まれた。だが、下の子の小学校入学を機に、妻が「教育費の足しに」とパートに出始めてから、夫婦関係が変わってきた。
家にいるときの妻は、「パートで疲れてる」と言ってイライラ。ちょっとしたことで、加藤さんに対して怒鳴り散らすようになり、子どもにもきつく当たるようになった。子どもが高校を卒業すると妻はパートを辞めたが、すでに夫婦関係は冷え切っていて、同じ部屋にいてもろくに会話もしないのが当たり前になっていた。
「妻は僕に無関心で、食事も別々。家にいても安らげず、居場所がない日々でした」
離婚の決め手になったのは、2年前、加藤さんが病気を患ったときのことだ。1カ月ほどの入院で、妻が見舞いに来たのは一度だけ。病室に顔を見せたほんの5分ほどの間に妻の口から出たのは「入院費用がかさむ」「早く良くなってくれないと、お金が心配」というそっけない言葉だけ。老後を目前に控えた病身にはこたえた。
「妻にとって僕は、もはや人生のパートナーではなく、ただの“金づる”でしかないのだと実感しました」
子どもは2人とも独立し、残る人生は妻と2人で歩む。入院時の妻の対応を見れば、年とともに体が弱ってきても「お金がかかるから、早く死んでほしい」と思われ、放置されてもおかしくない。「妻がいないほうが幸せだ」という思いが強くなった。
弁護士に相談し、すぐに家を出てアパートを借りた。離婚を突き付けられた妻は逆上したが、家は妻に渡し、他の財産は全て半分に分けることで合意。1年半の別居期間を経て、離婚が成立した。
「前より貧乏になったけれど、離婚した今のほうがはるかに幸せです。残りの人生は、自分の気持ちに正直に、前向きに生きたい」
と晴れやかな顔で話す加藤さん。今後、いいパートナーに巡り合えば、再婚したいとも思っている。
後略
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「妻と別れて、本当の自分を取り戻せました」
横浜市在住の会社員、加藤武司さん(仮名・59歳)。30年以上連れ添ってきた3歳年下の専業主婦の妻と昨年、離婚した。離婚を切り出したのは、夫である武司さんのほうからだ。
「これから先、30年は生きる。人生まだまだこれからと考えると、妻と一緒じゃないほうが幸せだと思ったんです」
結婚は26歳のとき。当初は仲の良い夫婦で、2人の子どもにも恵まれた。だが、下の子の小学校入学を機に、妻が「教育費の足しに」とパートに出始めてから、夫婦関係が変わってきた。
家にいるときの妻は、「パートで疲れてる」と言ってイライラ。ちょっとしたことで、加藤さんに対して怒鳴り散らすようになり、子どもにもきつく当たるようになった。子どもが高校を卒業すると妻はパートを辞めたが、すでに夫婦関係は冷え切っていて、同じ部屋にいてもろくに会話もしないのが当たり前になっていた。
「妻は僕に無関心で、食事も別々。家にいても安らげず、居場所がない日々でした」
離婚の決め手になったのは、2年前、加藤さんが病気を患ったときのことだ。1カ月ほどの入院で、妻が見舞いに来たのは一度だけ。病室に顔を見せたほんの5分ほどの間に妻の口から出たのは「入院費用がかさむ」「早く良くなってくれないと、お金が心配」というそっけない言葉だけ。老後を目前に控えた病身にはこたえた。
「妻にとって僕は、もはや人生のパートナーではなく、ただの“金づる”でしかないのだと実感しました」
子どもは2人とも独立し、残る人生は妻と2人で歩む。入院時の妻の対応を見れば、年とともに体が弱ってきても「お金がかかるから、早く死んでほしい」と思われ、放置されてもおかしくない。「妻がいないほうが幸せだ」という思いが強くなった。
弁護士に相談し、すぐに家を出てアパートを借りた。離婚を突き付けられた妻は逆上したが、家は妻に渡し、他の財産は全て半分に分けることで合意。1年半の別居期間を経て、離婚が成立した。
「前より貧乏になったけれど、離婚した今のほうがはるかに幸せです。残りの人生は、自分の気持ちに正直に、前向きに生きたい」
と晴れやかな顔で話す加藤さん。今後、いいパートナーに巡り合えば、再婚したいとも思っている。
後略
「妻を捨てよう」夫から切り出す「熟年離婚」増加の背景 〈週刊朝日〉
「妻がいない老後」を考えたことはあるだろうか。熟年離婚といえば、これまで妻から離婚を切り出す例が多かったが、ここ最近、妻が“不用品”になる夫が増えているという。何が夫をそうさせるのか。決意したら、どん...