匿名さん
そうやってつくりあげたイメージはいつしか独り歩きしていく。歌詞が深読みされ、「椎名林檎」は偶像化された。しかしそれは本人の望むところではなかった。後年、デビュー当時を振り返り、《音楽業界のおじさまたちがおっしゃるアーティストのあるべき姿を盗み聞いて、宣伝になる材料をお渡ししなければと思っていました。それが世の中には、個性というふうに届いてしまって、大きな誤解をあちこちに投げかけているようで辛かったですね》と語っている(※2)。椎名林檎40歳に 「音楽業界のおじさまが望む女」から「王道」への転換点 | 文春オンライン
ミュージシャンの椎名林檎が、きょう11月25日、40歳の誕生日を迎えた。今月14日には、大晦日のNHK紅白歌合戦に、エレファントカシマシの宮本浩次とともに特別企画の枠で出場することが発表されたばかりだ…
(略)
《自分が目指していた場所は十八の頃から変わらない気がします。いろいろな段取りを済ませて、ここからが本番かなという思いです。『ぼちぼち“王道”を歩かせていただいても良いですか?』という気分です》とは、2014年のアルバム『日出処』リリース時の発言である(※3)。どれだけ大役を担おうとも、彼女の姿勢に揺るぎはない。
※2 『AERA』2009年6月29日号
※3 椎名林檎『音楽家のカルテ』(スイッチ・パブリッシング)