匿名さん
プロ野球のゆゆしき事態に、ついに球界のご意見番・広岡達朗氏の堪忍袋の緒が切れた。新著『巨人への遺言』(幻冬舎)を緊急出版し、プロ野球が生き残る道を探り、ぬるま湯体質の球団に改革の断行を迫る。84歳の重鎮の言葉は“繰り言”ではない。このままではファンからも「三下り半」を突きつけられても仕方がない。球界の見識はどこへ消えたのか?
転落の根は西武時代に
「第4の男」まで登場した巨人を舞台にした野球賭博、球界の元スーパースター・清原和博被告の覚醒剤の所持と使用、ロッテの外国人、ナバーロの実弾1発の所持…。耳を疑うような球界スキャンダルが続く中、広岡はそれでも「性善説」に立って物申す。
「野球人に本来、悪いやつはいないと思っている。ただし、野球バカが過ぎる分、社会常識に欠ける者が多い。監督やコーチが一般常識をしっかり教えればいいが、それができていない。清原がこうなったのも西武、巨人時代の指導と教育に問題があった」
球団の体質に甘さはなかったのか-。清原が西武に入団したときの監督は森祗晶である。前年、広岡からバトンが託された。ところが「名将」で知られた森の頭の中に、やりたい放題の未成年スターの教育のことまでなかったようだ。コーチたちも清原の扱いに手を焼き、だんまりを決め込んだといわれる。
一方、広岡はヤクルト、西武の監督時代、選手の生活習慣の改善や食事制限、キャンプ中のマージャン・ゴルフの禁止、ユニホーム姿でのたばこを止めさせるなど、泣く子も黙る「管理主義」を徹底させた。
「僕が監督をしていたら、清原を厳しく教育したよ」
清原の巨人時代の興味深いエピソードが同書の中で再現される。〈西武の看板スターで29歳になった清原を巨人首脳陣がコントロールするのは大変だったろう。清原をもてあましたコーチ陣は長嶋茂雄監督に「一時、2軍に落とすなどして、巨人軍の野球をしっかり教え込んだ方がいいのではないか」と提案したが、監督は「三顧の礼を尽くして来ていただいた大変な選手に、そんなことはできません」と拒否したという〉
「球界の盟主」とは何か
清原は西武で11年間プレーした後、長嶋巨人に迎えられている。プロ野球の生みの親・正力松太郎は、巨人の選手は「球界の盟主たれ!」と言ったが、巨人が特別だった時代は終焉を告げている。
“芋づる式”ともいうべき一連の野球賭博事件にしても、広岡は「氷山の一角」ととらえ、身内の形式的な調査では野球賭博の実態がつかめるはずがないと訴える。プロ野球選手は1年の半分を遠征し、寝食を共にしながら共同生活を送っている点でも普通の会社員と違う。現役生活には限りがあり、引退後、一般社会で「第2の人生」を送る。まだ二十歳そこそこの若者を預かる球団はそこまでのことを頭に入れて、徹底的に教育しなければならないというのが広岡の基本スタンスだ。
プライドを失った巨人選手
それにしても、巨人の選手ばかりがなぜ「悪事」に手を染めるのだろうか-。そんな疑問に巨人のV9・1年目の遊撃手として活躍した広岡は答えた。
「巨人軍の選手としてプライドが感じられなくなってきた。昔はリーグ優勝するのは当たり前で、パ・リーグに勝って初めて仕事をしたと評価された。監督は選手のすべてを知っていたし、コーチは打撃やピッチングについて専門的に教える役割が求められる。ところが、今の巨人には“飼い殺し”のような選手も多く、才能を発揮できないでいる」
25日のプロ野球開幕まで1週間に迫った。球界の腐敗という難問を抱えながら、不祥事続きの巨人も“頭を垂れて”ペナントレースに参加する。怒り心頭というより、どことなく興ざめ感のするシーズン開幕に、ファンは何を思うのか-。
転落の根は西武時代に
「第4の男」まで登場した巨人を舞台にした野球賭博、球界の元スーパースター・清原和博被告の覚醒剤の所持と使用、ロッテの外国人、ナバーロの実弾1発の所持…。耳を疑うような球界スキャンダルが続く中、広岡はそれでも「性善説」に立って物申す。
「野球人に本来、悪いやつはいないと思っている。ただし、野球バカが過ぎる分、社会常識に欠ける者が多い。監督やコーチが一般常識をしっかり教えればいいが、それができていない。清原がこうなったのも西武、巨人時代の指導と教育に問題があった」
球団の体質に甘さはなかったのか-。清原が西武に入団したときの監督は森祗晶である。前年、広岡からバトンが託された。ところが「名将」で知られた森の頭の中に、やりたい放題の未成年スターの教育のことまでなかったようだ。コーチたちも清原の扱いに手を焼き、だんまりを決め込んだといわれる。
一方、広岡はヤクルト、西武の監督時代、選手の生活習慣の改善や食事制限、キャンプ中のマージャン・ゴルフの禁止、ユニホーム姿でのたばこを止めさせるなど、泣く子も黙る「管理主義」を徹底させた。
「僕が監督をしていたら、清原を厳しく教育したよ」
清原の巨人時代の興味深いエピソードが同書の中で再現される。〈西武の看板スターで29歳になった清原を巨人首脳陣がコントロールするのは大変だったろう。清原をもてあましたコーチ陣は長嶋茂雄監督に「一時、2軍に落とすなどして、巨人軍の野球をしっかり教え込んだ方がいいのではないか」と提案したが、監督は「三顧の礼を尽くして来ていただいた大変な選手に、そんなことはできません」と拒否したという〉
「球界の盟主」とは何か
清原は西武で11年間プレーした後、長嶋巨人に迎えられている。プロ野球の生みの親・正力松太郎は、巨人の選手は「球界の盟主たれ!」と言ったが、巨人が特別だった時代は終焉を告げている。
“芋づる式”ともいうべき一連の野球賭博事件にしても、広岡は「氷山の一角」ととらえ、身内の形式的な調査では野球賭博の実態がつかめるはずがないと訴える。プロ野球選手は1年の半分を遠征し、寝食を共にしながら共同生活を送っている点でも普通の会社員と違う。現役生活には限りがあり、引退後、一般社会で「第2の人生」を送る。まだ二十歳そこそこの若者を預かる球団はそこまでのことを頭に入れて、徹底的に教育しなければならないというのが広岡の基本スタンスだ。
プライドを失った巨人選手
それにしても、巨人の選手ばかりがなぜ「悪事」に手を染めるのだろうか-。そんな疑問に巨人のV9・1年目の遊撃手として活躍した広岡は答えた。
「巨人軍の選手としてプライドが感じられなくなってきた。昔はリーグ優勝するのは当たり前で、パ・リーグに勝って初めて仕事をしたと評価された。監督は選手のすべてを知っていたし、コーチは打撃やピッチングについて専門的に教える役割が求められる。ところが、今の巨人には“飼い殺し”のような選手も多く、才能を発揮できないでいる」
25日のプロ野球開幕まで1週間に迫った。球界の腐敗という難問を抱えながら、不祥事続きの巨人も“頭を垂れて”ペナントレースに参加する。怒り心頭というより、どことなく興ざめ感のするシーズン開幕に、ファンは何を思うのか-。
【番長・清原覚醒剤事件】球界のご意見番・広岡達朗の堪忍袋の緒が切れた!「清原がこうなった責任は西武と巨人の指導にある」
プロ野球のゆゆしき事態に、ついに球界のご意見番・広岡達朗氏の堪忍袋の緒が切れた。新著『巨人への遺言』(幻冬舎)を緊急出版し、プロ野球が生き残る道を探り、ぬるま湯…