母親殺害事件から12日後、『HEY×3』に出演した安室奈美恵とダウンタウンの優しさ

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匿名さん


母親殺害事件から12日後、『HEY×3』に出演した安室奈美恵とダウンタウンの優しさ - エキサイトニュース

無念、憎悪、悲哀、呆然……。どんな言葉を尽くしても、程遠いのでしょう。あるいは、それらを含めた無数の感情が次々と巡っていたのかもしれません。そんな状況においても、彼女はステージに立ちました。1999年...
無念、憎悪、悲哀、呆然……。どんな言葉を尽くしても、程遠いのでしょう。あるいは、それらを含めた無数の感情が次々と巡っていたのかもしれません。そんな状況においても、彼女はステージに立ちました。1999年3月29日放送のフジテレビ系音楽番組「HEY!HEY!HEY!」生放送スペシャルでのことです。

◾︎世間を震撼させた、安室奈美恵実母殺害事件

そこから遡ること12日。信じがたいニュースが流れました。当時人気絶頂だった安室奈美恵の実母が、義理の叔父によって殺害されたというのです。
事件が起こったのは、1999年3月17日午前10時40分頃。沖縄県大宜味村喜如嘉の道路上で、実母と再婚相手の夫が横断歩道を渡ろうとしたところを、叔父が運転する車で轢かれたとのこと。さらに車から降りた叔父に、ナタのようなもので顔を中心に何度も切りつけられ心肺停止に。病院に搬送されたものの、帰らぬ人となってしまったのです。
犯人である叔父はというとその後、近くの山中で服毒自殺。犯行に至った動機が不明なため、様々な憶測を呼び、マスコミの報道合戦を加熱させました。

メディアの視線は当然、安室にも向けられます。国民的スーパースターの身に起こった前代未聞の悲劇。本人の口から語られるコメント、あるいは表情を電波や紙面にのせたいと思い、カメラは彼女の姿を捉えようと躍起になります。しかし当然、安室サイドは徹底した報道規制を敷き、完全に報道陣をシャットアウト。告別式以外の撮影は許さず、本人の口からコメントが聞かれることもありませんでした。

◾︎沈黙を破り、TVの舞台に姿を現した安室奈美恵

そうした過程を経て、事件から12日後の3月29日。『HEY×3』にてTV復帰を果たすのです。後に語るところで本人はこの2週間あまりの期間に「引退も考えた」とのこと。その気持ちを振り切ってのステージ。相当な覚悟をもって臨んだのは、想像に難くありません。
安室が舞台に登場したとき、割れんばかりの拍手が巻き起こります。「がんばれー!」などの声援や、応援のメッセージを掲げたプラカードも目立ちました。
壇上で迎えるダウンタウンにも、さすがに緊張の雰囲気が滲み出ていました。当然です。スーパースターとは言え、彼女はこのとき21歳。去年ようやく成人に達したばかりの女の子が受け止めるには、あまりに大きすぎる出来事がたった12日前に起こっているのです。被害者感情に寄り添いすぎたらバラエティになりません。かと言って、「その部分」を避けて通るのはあまりに不自然……。さしものダウンタウンも対応に苦慮したことでしょう。

◾︎安室に見せた、ダウンタウンの優しさ

安室に対し開口一番、松本は「いやーこれは絡みづらい!」と言って、浜田も同調していたと記憶します。この突き放すような一言。一瞬だけ緊張感が走ります。しかしその後、「おっちゃんたちには何もできひんけどな……」と彼女の気持ちに寄り添うような発言もしていました。
後に語り伝えられるところでは本番前、松本が安室へ「俺が助けたるからな。絶対に辞めたらあかんで」などと激励したとされています。信憑性は定かではありませんが、それくらいのフォローをしていないと、安易にできない接し方ではないでしょうか。
それに、安室は『HEY×3』出場記録1位の54回を誇る、ダウンタウンとって、立ち上げから共に同番組を盛り上げてきた、いわば、同志のような存在。3人によるこの時の短いやり取りの中には、何か信頼関係のようなものが感じ取れました。

その日を境に、力強くキャリアの再スタートをきり、現在も第一線で活躍する安室奈美恵。彼女のプロ根性、そして、ダウンタウンの優しさ。それらを存分に見せ付けられた、心に残るワンシーンが、今から17年も前にあったのです。
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