匿名さん
自慢は悪?日本で「幸せな人に水を差す行為」が多い理由(雨宮 紫苑)
22歳のときにドイツに移住、そこで就職の壁にぶち当たりながらも、現在ドイツ人のパートナーと結婚し、暮らしている雨宮紫苑さん。海外に暮らして見えてきたことなどを寄稿いただいている雨宮さんだが、Twitterでパートナーのことをシェアするとかなりの確率でこのように言われるのだという……「国際結婚の離婚率高いこと知らないの?」。日本でよくある幸せな人に冷水を浴びせるような空気はどこから生じているのだろう。
「謙遜」のためではなく、まわりに嫉妬されないために自慢を避けているようにしか見えないのだ。自慢すると、嫌われてしまうから。
ここで恐ろしいのは、嫉妬する側ではなく、嫉妬される側が「あいつが自慢したから悪いんだ」「調子に乗っている」と加害者にされがちなことだ。だからみんな、「実は幸せなんかじゃないんです」と言わざるを得ない。
これが奥ゆかしき謙遜文化の行き着く先だとすれば、なんとも悲しい話だ。
かといって「自分は不幸です」と言えば、「俺の方がつらい」だの「もっと寝てない人もいる」だのと最底辺争いが勃発する。場合によっては、「もっとつらい人がいるんだから弱音を吐くな!」とキレられたり、「その程度で不幸ぶるなんて許さない」という不幸評論家が登場するのだからやってられない。
日本ではたぶん、「ほどほどに不幸で愚痴が尽きない」くらいのポジションが一番楽なのだ。嫉妬もされないし、かといって惨めでもないから、一番立ち回りやすい。