匿名さん
定型発達児は、周囲の人々と注意を共有し意図を理解したうえで模倣します。さらに、人の特徴を捉えてその人らしい身ぶりや言葉遣いを真似する自己化という過程を通してことばやことば遣いを身につけていきます。「自閉症は津軽弁を話さない」この謎に挑んだ心理学者が痛感したこと それは「タメ語と丁寧語」に似ている
自閉症の子どもは津軽弁を話さない。そんな妻の一言をきっかけに、心理学者の松本敏治氏はことばと心の謎の解明に乗り出した。松本氏は「最初は軽い気持ちで調べていたが、本にまとめるまで十数年がかかった。現場の人々の経験や感覚に目を向けることの大切さを痛感した」という――。
しかし、共同注意・意図理解・自己化が苦手な自閉症児は周囲の人々のことばを身につけることがむずかしくなります。代わりに幾度も再生視聴できるDVD等のメディアや組織的学習場面で意図の理解は不十分なままに場面とことばをパターンとして結びつけてしまうのかもしれません。
そう考えていたところ、関西にお住まいの方から「私の息子がそうです。家族全員が方言を話しているのに、彼だけが共通語を話しています」との連絡がありました。
ところが出版を機に今度は、それまで共通語しか使わなかったのに方言を話すようになる自閉症の人がいるという新たな謎が寄せられました。一体何が起きているのか。もちろん謎は解かねばなりません。
それらの事例について調査研究したところ、方言を使い始めた時期に同年代の他者への関心・興味が芽生え、対人的スキル等に伸びが見られたことがわかりました。ことばと社会的関係が深く繋がっている様子がここにも見えます。