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匿名さん
僕がそこに足を踏み入れようとしたそのとき、いきなり自らも服を脱いでジャニーさんが入ってきたのだ!
「あっ!」と、思ったのもつかの間、ジャニーさんは当然のように、「YOU!アワ風呂なんて初めてでしょ? この中で石鹸をつけて洗うんだよ」と、あっけにとられている僕を湯船に誘導し、そして、いきなり石鹸を持った手で僕の背中を洗い出したのである。それはもう絶妙のタイミングで、僕には返答する間もなかった。
背中から胸、腰に手が来たとき、さすがに僕は自然に股間を両手で覆った。ジャニーさんはそれを無視して、尻からもも、ふくらはぎから足の指先まで僕の前身を泡でいっぱいににしながら、まるで幼児を洗う母親のように洗うのだ。その様はかいがいしいともいえるほど丁寧で、僕は「何で?」といった疑問の声をあげられなかった。
そのうち、僕の股間の手をはずし、性器をシャカシャカと泡立てた。「え?」と思った次の瞬間には、また、僕の手をとり、その手を股間に戻す。「え?」と再度、あっけにとられている間に、また、股間の手をはずし、石鹸をつけてシャカシャカシャカシャカ…そのときのジャニーさんの表情は無表情で、それが当たり前のことのような、いわば親が幼児を洗うように、それが当然だという感じだった、「何するんですか?」などと抵抗するのがおかしいような気分にさせるのだ。
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匿名さん
普通に生きてきたらそんな奇妙な行為に対して疑問が湧くが、それがこの場所、この時間、そしてジャニーさんが相手だとあまりに混乱してしまう。結局僕はされるがままだった。
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匿名さん
だが、そのときはそれ以上の行為には発展せずに、すぐにシャワーで洗い流され、僕はその奇妙な体験からようやく逃れた。その後、風呂からあがると、今度は僕の体にかなり匂いのきつい香水のようなものを塗ってきた。立ち上る甘ったるい香りにむせそうになりながら、「これ、何ですか?」と僕が聞くと「これは肌がきれいになるローションなんだよ。ジャニーズのみんながつけてるんだよ」とやさしく答えた。
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匿名さん
僕はその匂いに包まれながら、放心状態で隣室のソファーベッドに倒れこんだ。すると、そこにジャニーさんが覆いかぶさってきた。「YOU!マッサージをしてあげるね」
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匿名さん
ジャニーさんはそういいながら、僕の体を揉んできた。その手先はとても器用に筋肉を揉み解していく。それを拒否する気にはなれなかった。これは好意なのだからと自分に言い聞かせた。僕の耳元に熱い息がかかる。「YOU!」これから忙しくなるよ。
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匿名さん
すぐに雑誌の「マイアイドル」の取材があるし、コンサートやテレビ番組もいっぱい出るんだからね」「え?もう決まっているんですか?」
ジャニーさんは甘い声でささやきながらも、マッサージの手をやめない。「僕の言うとおりにしていれば間違いないよ。YOUは特別なんだからね」「…はい」「あ、これはOくんには内緒だよ、いいね」ジャニーさんはそう告げると、僕の頬にキスをして、僕から離れ、部屋を出ていった。しかし、すぐに部屋に戻り、「YOU、ご飯を食べよう、Oくんも待ってるよ」と、状況が呑み込めないまま放心した僕に言うのだった。
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匿名さん
合宿所ではアタリマエなアノコト
初老のおじさんが頬にキスをする。この時点で通常ならば、「オカマかな?」「ホモかな?」と思うに違いない。僕も、「変なおやじだ」と感じていた。しかし、そんな疑念は、「デビューだよ」の言葉で紛れてしまった。
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匿名さん
大きな食卓につくと、そこにはすでに岡本や成田、中村繁之やジュニアの二人、そしてOくんが着席していて僕を迎えた。僕はかなり強烈な香水の香り、ジャニーさんと同じ香りをさせているはずだ。それが恥ずかしかったのだが、三人とも顔色一つ変えなかった。
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匿名さん
献立はすきやきだった。もうすでに香ばしい匂いがたちこめて、食べ盛りの僕は目の前の鍋ごと口に運びたいぐらいの空腹に襲われた。「すげえ、霜降り牛だ!」イヤシサも頂点に達しそうだったが、隣の席に座ったジャニーさんは僕の器を手にとり、溶き卵を作ってくれ、肉をそれに浸して、「はい、YOUは肉が好きなんだよね、ハイ!」と、新婚の新妻のように、僕の口元までその肉を運んできたのだ。「いや、あの、自分で食べます」
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匿名さん
僕はさすがにそれをパクリとやることができなかったが、ジャニーさんは構わず「いいから、いいから」と強引に僕の口の中に入れようとする。僕はあきらめ、素直にそれを口に入れた。うまい、もちろん、うまかった。だが、こんな恥ずかしいこと、僕はみんながさぞ笑って見ていることだろうと、恐る恐る食卓を見回した。
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匿名さん
だが、どうしたことだろう。どの人も、O君さえも、まったく僕のことを無視して、もくもくと食事をしている。考えられない。普通の生活をしている人間には、こんな状況は考えられないことじゃないのか?
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匿名さん
ジャニーさんは自分が食べる間も惜しんで、僕の口に上等な肉を運ぶ。その前にはご丁寧に「フーフー」までしてくれるのだ。いたたまれなくなった僕は、「もうお腹がいっぱいですから」と、ウソをついた。本当はもっと食べたかったが、これ以上、こんなことはできない。
そして「トイレへ」と言って席を立とうとすると、ジャニーさんも立ち上がり、僕の手を握り、「こっちだよ」と案内してくれようとする。トイレから出てくると、驚くことにジャニーさんも立ち上がり、僕の手を握り、「こっちだよ」と案内してくれようとする。
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匿名さん
トイレから出てくると、驚くことにジャニーさんは忠犬のように、ドアの外で待っていた。そして、また手をとられ、僕は居間に戻された。
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匿名さん
食後のイチゴが出され、そのイチゴもジャニーさんの手によって僕の口に運ばれた。僕はその行為に何ら関心を示さない周囲の人間たちに不安を覚えた。どうなってんだ、ここは?
居間では大型のスクリーンでファミコンをするO君たち。ジャニーさんはその横のソファーに座り、僕の手をとって抱き寄せ、自分の膝に僕を座らせた。「YOU、今度の土曜日にまたおいで。今後のスケジュールの打ち合わせだよ」「は、はい」「YOU、合宿所では好きなようにしていいんだよ。欲しいものがあったら何でも僕に言って」
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匿名さん
時計は九時を回っていた。本来は僕はレッスン場にオーディションに来るだけの予定だったのだ。まさかこんな展開が待っていようとは。
帰り際、ジャニーさんは名残惜しそうにしながら、「今度の土曜日に来るんだよ」と耳打ちしながら、交通費として一万円をこっそりと手に握らせた。
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匿名さん
そこを出ると、僕とO君ははじめて二人きりになった。電車の中で、僕はようやく、O君に話ができた。
「おい、ジャニーさんておかしくないか?なんでみんな黙ってんだよ?おかしすぎるよ」O君はニヤリと笑った。「どうだった?」「なんだよ、おまえ、知ってたんだな!どういうことなんだよ、あれ」
「みんなそうなんだから、たいしたことないよ、言っておくけど抵抗したら全部終わりだからね。」合宿所に呼ばれなくなっておしまい。みんな我慢してんだよ」
O君もあんな接待をされたのだと思った。でも、「O君には内緒だよ」と言われたデビューのことは話さなかった。僕だってさっかくつかんだチャンスは逃したくはない。
なにか違うんじゃないかと思いながらも、十五歳のあさはかな頭では、アイドルと同じ食卓を囲んだ嬉しさ、楽しさが、ジャニーさんのオカマチックな行為などに対する嫌悪感をずっと上回ってしまっていた。それに、ベタベタされるだけじゃないか、子供のように扱われて。それだけだろう…
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匿名さん
O君とはそれ以上のことを話さなかったため、その後にどんなことがまちうけているのかなどは考えもせずに、僕はただデビューへの希望に酔いしれていた。