匿名さん
高藤さんは自宅から少し遠い場所にある肢体不自由児・生徒のための県立特別支援学校小学部に赴任する。「残業代を付けてほしい…」ブラック化が叫ばれる“教育業界”に自ら進んだ若手教員の本音 | 文春オンライン
長い労働時間、モンスターペアレントへの対応、教員間のいじめ、休日に担当する部活顧問……。教育業界は労働環境のブラック化が問題視されはじめて久しい。しかし、いまも教員を目指す人たちは決して珍しくない。教…
新年度から勤務する学校を初めて訪れた時、彼は「何をすればいいですか?」と学年主任に尋ねた。すると、「とりあえずおむつを替えてください」と言われ、非常に困惑する。
この時、「今度働く学校は大変なところかもしれない」と実感したという。
塾講師として培ってきた授業研究のスキルを使う機会もなく自信を失い、「この仕事をやっていけるか」と毎日考えていた。教えていた塾から「うちの会社にそのまま就職しないか」と誘われた言葉が頭によぎった日もあった。
ー教え子を手術の合併症で亡くし、「一日一日を大切にしなければいけない」と仕事への向き合い方が変わったという高藤さん。
「子どもと遊びながらも、一緒に考えている実感がある」と少し自信に満ちた顔で語る。「あまり早い時期には次の学校に異動したくない。特別支援のことをしっかり学んでプロになりたい」との決意も持ち始めた。
赴任以来、彼は電車で片道2時間かけて始業1時間前に学校に到着するように通勤している。新型コロナウイルスで全国一斉休校になった時期も、彼の勤務校はしばらく開校していたが、高藤さんは「むしろ、学校に行けて嬉しい」と思った。
「働き方改革」についても意見を聞いてみた。「新米だし、毎日が勉強だから遅くなるのは仕方がない」と言いながらも、「勤務時間外の仕事に残業代を付けてほしい」と語り、続けて「そうなると、いつまでも残業する人もでちゃうかな」とも付け加えた。