https://www.dailyshincho.jp/article/2021/02260601/?all=1
「古い光景を知る世代ほど、最近の秋葉原は風俗街化が進んでいるとショックを受けるはずです。実際に歩くと、往時の電気街を彷彿とさせる一角もあります。しかし特に『裏通り』と呼ばれる一角を歩けば、次々とオタク・マニア向けの店舗が閉店し、そこに風俗店が入居していることが分かると思います」
特に昨年末には、秋葉原の風俗街化を印象づける“エポックメイキング”な出来事があったという。
「東京に『キッチンジロー』というチェーンの洋食レストランがあります。秋葉原の『外神田店』は街の名物だったのですが、昨年9月末に閉店してしまったのです。かつての秋葉原は飲食店が少なく、お気に入りのショップを巡ってお腹が空くと、キッチンジローの外神田店に行くのが定番のコースでした」(同・河嶌氏)
閉店したキッチンジローの代わりに入居したのが、渋谷や歌舞伎町、池袋などの風俗街で散見される「無料相談所」だった。これが波紋を呼んだのだ。
『恋はデジャブ』(93)という映画がある。これもまた、同じ一日をループで繰り返しながら、主人公が精神的に成長するという物語。この話では、主人公だけでなく、周囲の人々も同じ一日を繰り返す。つまり、主人公の成長を待ってくれる。だが、映画と違って、現実は、そうはいかない。終わりの無い学園物のアニメにうつつを抜かしている間に、同級生は進学し、就職し、結婚し、子供を作り、人生を前に進めていく。記号化されたアニメの主人公は、のび太もカツオも、同じ失敗を繰り返しても、明日には明日がある。しかし、現実の人間は、老いてふけ、体力も気力も失われ、友人も知人も彼を見捨てて去り、支えてくれる親も死んでいく。彼らは入れてもらえるリアル中高生のようなLineも無く、数十万もの言葉をいまだにtwitterで虚空に叫ぶ。こういう連中に残された最後の希望は、自分もどこかすでにある永遠の夢の学園祭の準備の中に飛び込んで、その仲間になることだけ。
起業する、選挙に立候補する、アイドルやタレント、芸人になる、小説やマンガの賞に応募する、もしくは、大金持ちと結婚する。時代のせいか、本人のせいか、いずれにせよ、人生がうまくいかなかった連中は、その一発逆転を狙う。だが、彼らはあまりに長く、ありもしないふわふわした既製品の夢を見させられ過ぎた。それで、自分で自分自身の夢をゼロから積み上げて創れない。一発逆転も、また他人の出来あいの夢。だから、かならず失敗する。そして、最後には逆恨み、逆切れ、周囲を道連れにした自殺テロ。
いくらファンが付き、いくら経営が安定するとしても、偽の夢(絶対に誰も入れない隔絶された世界)を売って弱者や敗者を時間的に搾取し続け、自分たち自身もまたその夢の中毒に染まるなどというのは、麻薬の売人以下だ。こんなビジネスモデルは、精神的サブプライムローンのようなもので、いつか破綻する。そして、実際、その崩壊が始まった。リアル中高生が食いつかず、市場が高齢化し縮小してきている。
終わりなき日常の終わり:京アニ放火事件の土壌
純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授
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匿名さん
秋葉原ってエステもリフレもぎりぎり抜いてくれない寸止め店ばかりだと思ってた。
今は違うのかな?