匿名さん
動きの鈍い公立に見切りを付けたのか、「もう公立学校には期待しない」という保護者、生徒が増えているようだ。二つの側面からそう示唆されている。親の「公立離れ」を招いた私立とのオンライン授業格差、学校と教師に募る不信
コロナ禍で全国一斉休校になった際、オンライン授業の有無で公立学校と私立学校に格差が生まれた。公立が総じて「フリーズ状態」に陥ったのに対し、私立学校は対応が進んだ。炭鉱のカナリアは、受験生の「公立離れ」という危険を知らせている。『教師と学校の失敗学』(PHP新書)を5月に上梓した教育研究家の妹尾昌俊氏が、コロナ危機の中で生じた学校教育の失敗を斬る。
一つとして、不十分だった学校の対応を学習塾やオンライン講座などで補った家庭がかなりあった。(略)緊急事態宣言発令下における対応の満足度を保護者に尋ねた質問では、「学校の方が良い」と答えた人が12.0%だったのに対して、「学習塾の方が良い」という回答は88.0%に上った。
もう一つは、中学校や高校で私立に流れる動きである。大手進学塾の日能研によると、21年の1都3県の私立中学校の受験率は、20.8%で過去2番目に高い水準だった。教育関係者たちは、オンライン授業などで素早く緊急時の対応を取ることができた学校の人気が高まっていると分析している。