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『白い砂のアクアトープ』(しろいすなのアクアトープ)は、P.A.WORKS制作による日本のテレビアニメ。2021年7月よりTOKYO MXほかにて放送中[2][3]。沖縄県南城市の水族館を舞台に、2人の少女の絆や葛藤、成長を描く青春群像劇[1]
宮沢風花は、アイドルグループを脱退し、故郷の盛岡に帰ろうとしていたが、一人沖縄へと旅に出る。一方、沖縄に住む女子高生の海咲野くくるは学生生活の傍ら、祖父が営む「がまがま水族館」の業務を館長代理として手伝っていた。旅中に偶然水族館を訪れた風花はそこで不思議な体験をし、出会ったくくるに対し、ここで働かせて欲しいと頼み込む。
登場人物
主要人物
海咲野 くくる(みさきの くくる)
声 - 伊藤美来[4]
本作の主人公。沖縄にある「がまがま水族館」で館長代理(夏休み期間中のみ)として働く女子高生。両親を亡くしており、祖父母と暮らす。毎朝、道沿いのキジムナーをまつる祠に魚の頭を供え「まくとぅそーけー、なんくるないさー」と唱えるのが日課。学校には小型二輪車で通学をしている。両親が残した自分の母子手帳の他に、名前の無いもう一冊の母子手帳があることを気に掛けているが、祖父母には聞けていない。
風花から頼まれたことで彼女を従業員として雇う。老朽化で閉館が予定されている水族館を存続させるため、この夏が最後の勝負だと、夏休みに集客して補修費300万円を捻出しようとしている。仕事への矜持や責任感は強く、がまがま水族館は自身の夢そのものであり、大切な場所だとして、素性を話してくれた風花を「私の夢を手伝って」と改めて迎え入れる。
本人は大真面目だが、仕事への熱の入れようから働き詰めになってしまったり、気持ちが先走って大人から諭されるといったようなことも多い。
くくるの台詞の方言は、伊藤が沖縄出身の儀武から指導を受けている[5]。
宮沢 風花(みやざわ ふうか)
声 - 逢田梨香子[4]
本作のもう一人の主人公。元アイドルの少女。2003年5月17日生まれ。盛岡出身。中学時に上京し、アイドルグループ「YONA PRO」のメンバーとしてデビュー。新曲のセンターポジションに指名されたが、センターを熱望する後輩の城居ルカ(声 - 菊池紗矢香)にセンターを譲る。それを契機に事務所から冷遇され、高校卒業を控えた夏に解雇されて芸能界を引退した。帰郷しようとしたが、地元が歓迎会を予定していると聞いて嫌気がさし、あてもなく沖縄へ旅立つ。がまがま水族館を訪れた際にくくるへアルバイトとして雇って欲しいと懇願し、自分の素性を話して「誰かの夢を応援することはできるから」と、くくるの夢を手伝うことを伝えた。以降はくくるの家に居候としてやっかいになっている。
母親から働くことへの了承も得たため、職員としての頑張りも軌道に乗り、海の生物に関する知識も上達し、くくるとの仲も次第に関係を深めていく。しかし、段々と閉館の期限が近づき、ルカから映画の主演の誘いの電話を貰った件もあり、悩みを抱えてしまう。
くくるの友人
照屋 月美(てるや つきみ)
声 - 和氣あず未[4]
くくるのクラスメイトで、小学校の頃からの友人。実家は定食屋「カメ一」[注 1]を営む。愛称は名前の「つきみ」にかけて「うどんちゃん」。料理が得意で、今の仕事を気に入っており、水族館へ弁当を差し入れることもある。いつか自分の店を持つのが夢。水族館の客寄せのためにかき氷を製作した際は、創意工夫でSNS映えする商品を作り上げた。
仲村 櫂(なかむら かい)
声 - 土屋神葉[4]
くくるのクラスメイト。幼馴染でもある。父は漁師。くくるの家へ自分が釣った魚を届けることもある。風花の歓迎会でくくるへ水族館の仕事を手伝うことを表明。館内の掃除や海の生物の採取など、自分が出来ることをこなしている。くくるに対しては子供の頃から淡い想いを寄せているものの、彼女から気付かれてはいない。
観光協会
久高 夏凛(くだか かりん)
声 - Lynn[4]
町の観光協会で働く公務員。空也とは高校の同級生で、腐れ縁関係。脱水症状になりかけていた風花を見かけて助け、彼女にがまがま水族館を紹介する。また、風花には水族館の現状を教え、くくるを支えてくれるよう頼み込んだ。その後も水族館閉鎖を防ぐべく、くくる達に協力する。将来の夢は水族館の飼育員だったが、家庭の事情から現在の道を歩み、理想のために頑張るくくるを内心羨ましがっている。
がまがま水族館
おじい
声 - 家中宏[4]
「がまがま水族館」の館長を務めるくくるの祖父。かつては様々な水族館を渡り歩いて数々の実績を残してきたことから業界関係者から「伝説の飼育員」と呼ばれている。潰れそうだった「がまがま水族館」を引き継ぎ、館長となった。高校を辞めた空也を誘って水族館の職員とし、海の生物の知識も彼が認める程の博識。夏が終われば水族館を廃館させ、自身は引退すると決めている。普段はのんびりとした態度だが、時にはくくるを厳しく叱ることもある。
屋嘉間志 空也(やかまし くうや)
声 - 阿座上洋平[4]
「がまがま水族館」の飼育員。チャラそうな雰囲気だが、仕事は真面目。高校時代に女子グループから理不尽ないじめを受け、退学した過去を持ち、それが原因で女子を苦手としている(そのためくくる達の前ではテンションが低い)。自分を拾ってくれたおじいには恩を感じており、水族館の閉館には不服気味。好物はくくるのおばあの梅酒で、飲酒すると絡み酒の癖がある。
具殿 轟介(ぐでん ごうすけ)
声 - 櫛田泰道
「がまがま水族館」の飼育員。くくるからのあだ名は「ウミやん」。腰を痛めたことで休暇中だったが復帰する。アイドル好きという趣味を持ち、風花のことも知っていた。客として来館する子供達への面倒見が良い。好物は焼酎入りアイス。水族館での押しはカエルアンコウ。
竹下(たけした)
声 - 花澤香菜
「がまがま水族館」の獣医。現在は産休中だが、くくるの頼みでペンギンの診療のために水族館を訪れる。その際に破水するも、後に病院で無事に出産した。
ティンガーラ
南風原 知夢(はえばる ちゆ)
声 - 石川由依[4]
「アクアリウム・ティンガーラ」より、研修のため「がまがま水族館」に派遣された飼育員。人当たりもよく、海の生き物の知識も豊富だが、求職者に対し飼育員の募集が少ないという状況下で苦労して現在の職を手に入れた経験から現実的であり、理想を追い求めるくくると対立。指導係をおじいにして貰うも、その仕事風景から得る物は無いと見切りを付け、上司に依頼して研修先を変更し、2日で現場を去る。
島袋 薫(しまぶくろ かおる)
声 - 小松未可子
知夢の同僚。派遣先は「月向マリンパーク」。皆、良い人ばかりで楽しいと知夢に話し、彼女からの愚痴を聞く。
家族関係者
おばあ
声 - 定岡小百合
くくるの祖母。家ではおじいと孫のくくるの三人暮らし。夫と共に、居候となった風花を快く迎え入れる。手作りの梅酒の味は良いらしく、空也や風花の母からも好評だった。
宮沢 絵里(みやざわ えり)
声 - 園崎未恵
風花の母親。退所後の娘の居場所を知らずにいたが、風花が現状を教えたことで水族館を訪れる。当初は娘をすぐ連れ戻す予定だったが、風花の頑張りを認め、夏休み期間は働いていても良いとお墨付きを出す。
照屋 さつき(てるや さつき)
声 - 儀武ゆう子
月美の母親。占い師もしており、風花を占った。那覇で美容室を開いている妹がいる。くくるの祖父母とも顔見知り。風花と再会した際、彼女のために世話を焼く。
仲村 真帆(なかむら まほ)
声 - 広瀬さや
櫂の妹。態度は丁寧で、小学生ながらしっかりした性格。都会に憧れがあり、水族館の職員となった風花を気に入っている。反対に館長代理のくくるとは犬猿の仲。
その他
知念 類(ちねん るい)
声 - 北守さいか
真帆の友達でクラスメイト。彼女の彼氏候補を名乗る。「がまがま水族館」の常連で年間パスポート持ち。魚の知識に詳しく、その関係で空也をライバル視している。
神里(かみざと)
声 - 田中秀幸
「がまがま水族館」の常連客。過去に亡くなった兄の姿を館内で幻視したという思い出を持ち、またいつか再び兄に会えることを望んで、毎年水族館を訪れている。
金城(きんじょう)
声 - 名塚佳織
南城総合クリニックの看護師長。小児科の子供達のために、がまがまからの移動水族館を受け入れる。蟹を大の苦手とし、院内でイワオウギガニと対面して驚くが、子供達の件もあり、トラブルを不問とした。
上原 愛梨(うえはら あいり)
声 - 塙真奈美
クリニックに入院中の少女。ウミやんの知り合いで、ガラ・ルファ好き。がまがまによく来ていたが、入院でそれが途絶える。移動水族館でウミやんと再会し、またがまがまに行けるよう頑張ると彼に約束した。
キジムナー
声 - 儀武ゆう子
時折姿を見せる謎の存在。