匿名さん
なかには過度な負担で健康を害する子どもがいること、家族愛にもとづくありふれた手伝いに見えても、それが子どもたちから学校に通い、学び、友人をつくる機会を奪ってしまっている場合があること、これらは子どもの人権にかかわる事柄であることを明確に認識する必要がある。病気の母や高齢の祖父母を「ケア」する子どもたち…その「しんどい現実」(濱島 淑惠) @moneygendai
高齢の祖父母や障がいを有するきょうだいなどの家族を「ケア」する子どもたち。彼・彼女らは「ヤングケアラー」と呼ばれ、過度な負担を抱えた一部の子に関しては社会問題となっている。ヤングケアラー研究の第一人者による新刊『子ども介護者』から、その実態の一端を、一部編集のうえでお伝えする。
ケア経験やヤングケアラーの価値を認めながらも、彼らの抱える、または抱えうる負担、困難を理解し、支援することが重要である。
なお、「子どもにケアをさせるなんて、親が悪い」という意見もたまにみられるが、そういう単純な問題ではない。親を責めるだけでは解決しない難しさがあることも付け加えておきたい。
子どもが学校に来ない、言動や態度が思わしくない、家で食事を出してもらっていない、家が散らかっている。私たちの社会は、そういう状況をみると、すぐに親を責める傾向がある。しかし、ヤングケアラーたちは親を批判されることには強い抵抗を示すことが多い。親自身も病気や障がいで苦しんでいること、または仕事と介護の両立で精一杯なことを知っているからである。
子どものしんどさの後ろには親のしんどさがある。ヤングケアラーを支えようとするならば、まずは親が抱える問題を解決するためのアプローチが必要となる。