匿名さん
数年前、オランダの研究者たちがある調査を行いました。調査には3つのグループが参加し、1つは、1日に14時間ずっと座っているグループ。2つ目のグループは13時間座り、最後の1時間に運動します。そして3つ目のグループには8時間座り、4時間歩いて、2時間立ってもらいました。どのグループの代謝が一番良いかを調べるために、砂糖入りの飲みものを飲んでもらい、含まれるグルコースの処理度合いを測定しました。「いくら食べても太らない人」に隠された秘密とは | 健康
飲み会に参加したあなたは、隣のとても痩せた人を見て思います。「この人、かわいそうに。キュウリしか食べていないんじゃないかな」。けれど、すぐに予想は裏切られます。その人はあなたの2倍の量をぺろりと食べ…
「ずっと座っていた人たち」が最下位だったのは自明です。しかし驚きだったのは、1時間運動したグループよりも、座る時間を8時間に減らしたグループの結果が良かったことです。調査開始後、たった4日間でその差は現れました。
この調査でわかることは、少しの運動をしても、座りっぱなしの害悪は消し去れないということです。それよりも、足をぷらぷらさせたり、クリップや事務室の備品をいじったりと、細かい動作を継続するほうが、代謝は高まるのです。
こういう細かい動作が多い人たちを英語で「フィジター(fidgeter)」と呼び、痩せている人たちは肥満の人に比べて、細かい動きを習慣的に行う人が多いという研究結果もあります。つまり「活動性熱産生」の差が、太りやすいかどうかの差を分けていたのです。
---
太りやすい人と、そうでない人の差に潜むもう1つの要因は、「ストレス」です。
研究によると、人口の約半数が特殊な遺伝子変異を持つコルチコステロイド受容体の保有者だといわれています。さらに興味深いことに、コルチゾールへの感度が高い変異遺伝子を持つ人は、お腹が出ていて、コレステロール値が高く、糖代謝が悪く、筋肉量が少なく、うつ病のリスクが高いという結果も出ています。
それに対し、人口の5〜10%の人が、コルチゾールへの感度が鈍い変異遺伝子を有しています。例えば男性でこの変異遺伝子がある人は、筋肉量が多く、強度も高く、高身長です。女性の場合はウエストが細く、また男女ともに、糖尿病になりにくかったり、コレステロール値が低かったりしています。