匿名さん
「医学の進歩による新しい方法であり、治験を行ったうえで安全だということならば、中絶薬の導入は仕方がないと思っている。しかし、薬で簡単に中絶できるという捉え方をされないか懸念している」不妊治療のバイアグラ保険適用。その裏で緊急避妊薬や経口中絶薬が高額なのはなぜか(福田 和子)
2月2日、「バイアグラ」が「不妊治療の目的」という限定がついているが、4月から公的医療保険の対象となる。子どもを産みたいと思った人が少しでも産みやすい社会の実現のために、不妊治療が保険適用になるのは、大いに歓迎すべきことだ。しかし、その一方で女性たちが長年訴えて続けている「緊急避妊薬」は、6000~2万円もかかり保険適用ではない。さらに、昨年12月22日に承認申請が提出された「経口中絶薬」も価格が10万円程度になると言われている。「緊急避妊薬」も「経口中絶薬」も多くの国で公費負担で無料提供もしくは入手可能な適正価格で提供されているのに、世界のスタンダードからは程遠いという現状がある。長年、避妊や中絶などの生殖に関するSRHRに関して活動、発信を続けている『なんでないのプロジェクト』の福田和子さんが寄稿した。
「中絶薬の導入は仕方がない」とは、かなりの衝撃である。
今でも毎年14万件以上実施されている中絶に関して、このような発言はなぜできるのだろう。
(中略)
経口中絶薬は決して「新しい方法」ではない。日本で今も行われている金属製の細長い器具で掻き出す「搔爬法」について、WHOは、子宮を傷つけたり、出血したりするなどの頻度が「吸引法」の2倍から3倍高く、「時代遅れ」で「安全性は低い」と警告している。安全性と女性のケアの質を改善するためにも、より安全な中絶方法に切り替える努力をするように声明を出しているだ。簡単にいえば、「日本の方法は遅れている」と警告を受けている状態なのだ。
そのWHOの声明に対して、日本産婦人科医会は、「信頼される、安心と安全を目指した産婦人科医療を推し進め、母子の生命健康の保護と女性の健康の保持・増進に取り組んでいます」とHPに記載している。それなのに安全な方法と推奨される経口避妊薬の導入はなかなか進まない。日本産婦人科医会会長が、中絶薬導入に対して、「仕方ない」という表現を使ったのか、私は理解に苦しんでいる。