匿名さん
●イラストレーターのこうきさん(29)は母親と義父、義弟の4人家族だった。幼稚園のころから、母親に身体的虐待を受けていた。虐待経験者が明かす「児童相談所に連絡」ではなく、大人にしてほしかった“たったひとつのこと” | 週刊女性PRIME
岡山県で起きた5歳児虐待死事件など連日耳をふさぎたくなるニュースばかり。虐待のニュースが報じられると、児童相談所への通報件数が一時的に増えるという。幼い命を救いたい、その思いはわかるのだが、本当に救いになっているのだろうか。虐待を生き抜いたサバイバーたちに、当時周囲に何を求めていたのか聞いた。救われる児童がひとりでも多くなることを祈ってーー。
「なんでこんなに私が理不尽なことを受けなければならないのか。これは仕方がないことなのか。そう思っていました。大人に多くは期待していませんでしたが、今考えれば、ただ、誰かに話を聞いてほしかった。なかったことにはしないで」
法的には、虐待を知った人は、児相などへの通告義務がある。
「大人の見ている景色と、子どもの見ている景色は違うかもしれない。私の場合なら、児相に通告前に子どもの意見を聞いてほしいですね」
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●希咲未來さん(21)は両親から虐待を受けた。
養護教諭に「家に帰りたくない」などと話すと、察してくれたため、児相につなげてくれた。しかし、十分に話を聞いてくれず、両親の元へ戻されてしまう。
虐待に耐えきれず、家出をした。保護されては家に戻され、父親に殴られ、また家出。出会い系サイトで知り合った男性の家にも泊まった。
「児相の職員よりも、歌舞伎町で出会った人のほうがよっぽど話を聞いてくれた。それが悪い誘惑だとしても日本の福祉は、夜の街の人たちに負けていると思います」
「20歳で死にたい」と思っていたところ、知り合った支援者たちに声をかけられ、沖縄にも行った。
「話を聞いてくれる人に出会いました。沖縄でも、ずっとそばにいてくれたし、休むことができた。大人はまずは子どもの言うことを信じてほしい」