匿名さん
「叱っちゃダメ」と叱られる。臨床心理士が警鐘「叱らずに、ほめましょう」という風潮に潜む大問題 叱る人を叱っても効果はほとんどない
子育てや新人の育成で、悩みの種になるのが「叱り方」です。臨床心理士で公認心理師の村中直人さんは「まわりからは『きちんと叱れ』『叱らず育てろ』と、相反する圧力がかかる。いずれのメッセージからも、『叱る』という行為が過大評価されていることがわかる」と指摘します――。(第1回/全3回)
読者のみなさまの中には「叱るのがダメなことは知っている」「何を当たり前のことを言っているのか」と感じた方もいるかもしれません。なるほど確かに「叱る」を禁止する考え方もまた、広く普及しています。
しかしながら実は、この「叱っちゃダメ、ほめましょう」という主張にも注意が必要です。「叱る」という行為を単純に否定し、絶対にしてはいけないと強調すること、そして「叱る」に代わる行為として「ほめる」を推奨すること。よくあるこういったメッセージは、それ自体が間違っているわけではありませんが、叱っちゃダメと言われたからといって、はいそうですかと「叱る」をやめることができる人はあまりいません。むしろ「どうしたらいいのかわからない」となってしまう場合が多いように思います。
「叱る」をやめたくてしかたがないのにやめられず、迷い彷徨ってしまう人がたくさん生み出されてしまうのです。