匿名さん
ただ、ことはそう単純ではありません。これとはまったく異なる結果を導いている興味深い論文があるからです。老後は「2000万円どころか、800万円くらいあればいい」と言える納得の理由 | 幻冬舎ゴールドオンライン
人生100年時代。NPO法人「老いの工学研究所」理事長の川口雅裕氏は、書籍『年寄りは集まって住め』のなかで、「老後2000万円」について解説しています。
この論文によれば、無職の高齢夫婦世帯の取り崩し額は約1万円に過ぎません。老後2000万円問題の根拠となっている毎月の取り崩し額(約5万5千円)とは、5倍以上の大きな差があります。
この論文が指摘しているのは、総務省の「家計調査」において、かなりの割合で「年金収入の記入漏れ、記入忘れ」があるという点です。
実際には、95%を超える高齢者が年金を受給しているのに、「家計調査」で年金の受給額を記入しているのは約75%しかいなかった。つまり、約20%の人が年金収入があるのにもかかわらず「無収入世帯」とカウントされているのです。
したがって、収入が実態よりも過少に算出されてしまうというわけです。
もっとも厳しいのは、働いていない単身女性ですが、毎月の取り崩し額が2万1400円なので、年間約25万7000円。これが30年続くと770万円となります。
「老後2000万円」どころか、「老後は800万円」くらいあればいいということになります。