匿名さん
日本では「夢をみられない」子どもが4割。「ミスが許されない」ことが起こす弊害(島沢 優子)
2022年5月に経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」のデータによると、18歳未満で「将来の夢を持っている」と答えた子どもが日本は60%しかいなかった。他国は80~90%を超えている。なぜ日本の子どもたちは夢を持てないのだろうか。長く教育の現場やスポーツの現場を取材してきたジャーナリストの島沢優子さんが、具体例を踏まえて分析する。
フジサンケイクラシックを制したプロゴルファーでもある沖縄大学の石原端子(まさこ)准教授は「待てないからミスを許さない。そんな大人の弊害がある」と話す。授業やセミナーで挙手しない大学生の姿に違和感を抱くという。意見や質問がなかなか出てこないことが気がかりだ。恥ずかしがり屋の子もいるかもしれないが、多くは「間違っていたらどうしよう」とか「質問がズレてると思われるかも」と他者の目を気にしているように映る。
「この習慣はどこからくるものかとずっと考えています。間違っていてもいいんだよとか、ミスしてもいいと教えられていないようです。特にスポーツでは極端に多いかもしれません」
さらに石原准教授は「スポーツは遊びです。教育的価値がないとダメなの?って思っちゃいますね」と首をひねる。
「日本の子どもたちがスポーツを通して、失敗なんてへっちゃらだと感じたり、自分の考えを言えるようになる。そういうスポーツ環境をつくれたらと思います」
失敗を恐れる。自信がない。そのように自己否定をする感覚は、無力化につながる。だから若者の自死や引きこもり、不登校はなかなか減らない。恐怖学習を選択する構造が変わらないからだ。