匿名さん
ベッドで寝る習慣がついた人たちが、和室を不要と考えるようになり、和室を備えた部屋も減っていったと考えられる。ベッドの寝室が便利なのは、二段ベッドの場合と同様、寝具の収納場所を必要としないことに加え、布団の上げ下ろしをしなくて済むことだ。日本人の「和室離れ」がますます進んでいる「避けられない理由」(阿古 真理)
物件を探してたくさん部屋を見るうちに気づかされたのが、日本人の生活スタイルの変化だ。何しろ、賃貸に出されている部屋の中には、築数十年の古い物件や、元は昭和前半生まれの高齢者のオーナーが住んでいた、という部屋もあるからだ。中でも興味深いのが、和室のポジションである。そこで今回は、部屋を管理する家事の視点から、和室について考えてみたい。
布団派の私が気がかりなのは、ベッドはマットレスを干しづらいこと。寝ているときは大量に汗をかくが、マットレスだと干して乾かすことが面倒そうだ。
和室が敬遠されるのはしかし、畳がマットレスと同様の問題を抱えているからでもある。今、畳を定期的に取り外して干す人はあまりいないのではないか。
畳はすき間にゴミが入り込みやすいし、飲み物などをこぼしたらシミになりやすい。日に焼けて変色しやすくもある。手入れのしにくさも和室が敬遠される理由の一つだろう。
湿気が多い日本では、気楽なこともあり靴を脱ぐ生活スタイルは残りそうだが、他の暮らし方は洋風化が相当進んだ。もしかすると、和室との付き合い方自体が、忘れられつつあるのかもしれない。