匿名さん
「今盛んに行われているのが『ヒト消費』です。ヒト消費とは、『ヒト』自体をエンタメとして捉え、消費していく活動のこと。昨今耳にする(好きなタレントやキャラクターなどを応援する)『推し活』に近いでしょう。元々『ヒト消費』という言葉は存在していましたが、コロナ禍の状況はヒト消費が活発になるには好条件だったのです」Z世代は「コト消費」より「ヒト消費」?若者の行動が大変化した理由
コロナ禍において、Z世代の消費行動が変わりつつある。キーワードとなるのが、「トキ消費」から「ヒト消費」だ。事情に詳しいニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏に話を聞いた。
感染防止対策として人流が制限されるなか、人々は家で消費できるエンターテインメントを求めた。その要望に応えるかのように、多くのアーティストやアイドルがライブ映像の無料公開などを行っていたことは記憶に新しい。
「豊富なコンテンツの無料公開のほか、ヒト消費の活性化に一役買ったのが、日本テレビが放送していた『Nizi Project』をはじめとしたオーディション番組です。誰かを応援する、誰かが努力している姿を見るという行為は、コロナ禍で寂しさを感じていた人々の心を埋めるのに十分でした。そのため、『“推し”がデビューできるように応援しよう!』というヒト消費が流行したのです」
電通若者研究部「ワカモン」が今年3月に発表した「コロナ禍で加速する推し活!大学生の推し活実態とは?」という調査の結果によると、推し活をしている大学生のうち、男子では3人に1人、女子では4人に1人が、「コロナ禍以降に推し活を始めた」と回答している。外出できない状況では、これまでのようなトキ消費はできない。家に居ながらにして行える消費がヒト消費くらいだったため、初めて「推し活」という文化に触れた若者が増加したのだろう。