匿名さん
出力60%が終わった時、まだこの上に出力が2段階がある事に記者は恐怖を抱いていた。すでに相当の痛みである。何とか直立の体勢を保つことはできたが、正直な心境として、これ以上の負荷に耐えられるか不安を感じていた。「痛いという言葉すら発することができない」奈良の女子大学院生が作った“月経痛体験装置”を男性記者が体験したら… 開発者は「無理強いはしたくないですね」 | 文春オンライン
身近な女性が学校や仕事を「生理痛で休みたい」と言った時、あなたはどう思うだろうか。「大変だな」といういたわりの気持ちか、「何を大げさな」とあきれる気持ちか、その両方ということもあるだろう。しかし確かな…
さあ、いよいよ出力80%の体験だ。佐藤准教授がパソコンを操作し、80%の月経痛体験が始まる。やがて腹部が強張るような違和感とともにゆっくりと刺激が強くなる。意外と大したことないのかもしれない、と思った直後だった。記者の口からうめき声とも悲鳴ともつかないくぐもった音が漏れた。
「痛い」という言葉すら発することができない。痛みをこらえるために歯を食いしばり、のけぞったり、腹部を抱え込むような姿勢で必死に耐える。腹部を四方から万力でギリギリと押しつぶされているような感覚だ。1回目の痛みの波が収まると、すぐに第2波が襲ってくる。耐えるものの、これがあと何回か続くのかと思うと絶望的な気持ちになる。写真を見返すと、自分でも見たことがない苦悶の表情をしている。
実際の体験は10秒ちょっとの短い時間だったのだろう。しかし、記者にとっては永遠に感じられるような長さであった。この痛みが数日にわたって腹部にとどまり、しかも毎月それを経験している女性たちは何とタフなのだろうかと思わずにはいられなかった。