匿名さん
帰宅した妻は泣き崩れた。事件のフラッシュバックにさいなまれ、体調を崩していく。職場や親しい人たちが悪気なく聞く「何があったの」という一言も負担になった。「思い出したくない」「聞かれたくない」-。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病に苦しんだ。「妻は事件に殺された」 ナイフを持った男がいきなり車内へ…心を病み、40代で急死 家族の人生も一変した | 鹿児島のニュース | 南日本新聞
2006年7月の強盗致傷事件を境に、今村公洋さん(58)=鹿児島県霧島市=一家の生活は一変した。被害に遭った妻は心に深い傷を抱えたまま3年後に急死した。
仕事も辞めざるを得なくなり、家に引きこもった。加害者が男だったことから、男性不信に陥った。今村さんが家事全般をこなして支えたが「私の気持ちは分からない。1人になりたい」とふさぎ込んだ。カウンセリングや入院治療も受けたものの、09年7月、脳内出血で40代の若さで急死。「事件に殺された」。今村さんは言い切る。
刑に服すとはいえ、服役中の加害者の生活は全て税金で賄われる。被害者の治療費は原則自己負担という矛盾。自治体による見舞金制度は増えているものの、今年4月時点で13都県にとどまり、鹿児島県は導入していない。模範囚だった加害者の仮釈放申請について意見を求められたときは「なぜ、許せない」と悲しみと怒りがこみ上げた。