匿名さん
そこで述べられる3要因とは、次の通りです。だから日本は理工系分野に女性が少ない…「女は数学ができない」という偏見がいまだになくならない根本原因 | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン)
※本稿は、横山広美『なぜ理系に女性が少ないのか』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。数学や物理学を中心に、STEM(科学・技術・工学・数学)分野のジェンダーイメージや平等度との関係を測定し、日本に…
(1)分野の男性的カルチャー
(2)幼少時の経験
(3)自己効力感の男女差
つまり、理工系分野にはそもそも男性的カルチャーがあり(1)、幼少時の経験が影響していて(2)、自分は理工系の勉強ができないという自己効力感の弱さ(3)が、理工系分野で学ぶ女性を少なくしている、とまとめています。
私たちがプロジェクトをスタートさせる少し前に、アイドルグループの「アインシュタインよりディアナ・アグロン」という歌の歌詞が炎上しました。「難しいことは何も考えない」「頭からっぽでいい」「女の子は可愛くなきゃね」「学生時代はおバカでいい」といった歌詞が出てくるその背景に、日本社会の病理が見えたように思いましたが、これは3つのいずれにも該当しません。
また、このモデルでは、私たちが測ってきた平等度などを入れる要因枠もありません。そこで、私たちは、チェリアンらが注目した3つの要因のほか、さらに要因4として、男性・女性はこうあるべきという「性差別についての社会風土」を加えることを考えました。そして、各要因に複数個の質問を用意して、その度合いがどの程度、数学や物理の男性イメージに寄与するかを測定するという設計です。
解析の結果、日本とイングランドの両方で数学・物理学の男性イメージに、要因1が強く影響していることが分かりました。数物系の職業に男性イメージを持つ人(1a職業)や、女性は数学ができないと思う人(1b数学ステレオタイプ)と、数学・物理学の男性イメージには統計的な関係がありました。
では、私たちが新たに加えた要因4、社会要因部分はどうでしょうか。
残念ながら、そして予想したことではありますが、日本では、女性は知的でないほうが良いと思う人(4c知的な女性観)ほど、数学に男性イメージを持つことが分かりました。ただ数値としては、就職や数学ステレオタイプと比較して弱いものでした。また、ここでは物理学には有意な差が見られませんでした。
知性は人が人として生きていく上で必要なものです。それをジェンダーで否定するという、女性の人権を軽視する傾向が、数学の男性イメージにつながっていることは深刻です