匿名さん
■枯渇した自信を高いプライドで補い、必死に支えている「自分はダメな人間だ」…急増する「自己否定という“自傷行為”をやめられない人々」の深層心理 | 幻冬舎ゴールドオンライン
「自分はダメな人間だ」「生きている価値がない」など、自分自身を貶め傷つける考えを繰り返してしまう…。今、このような“自己愛の発露としての自傷行為”をやめられない人が急増しています。ひきこもり専門の精神科医・斎藤環氏の著書『「自傷的自己愛」の精神分析』(KADOKAWA)より、自己否定を繰り返しがちな人の「プライドは高いが自信はない」を見ていきましょう。誰もがおちいる可能性のある「自己愛の捻れ」に迫ります。
現在の自分には自信がないからこそ、あるべき自分の姿(プライド)にしがみつく。だから彼らは、支援に結びつくのが遅れがちになります。
プライド、すなわち、あるべき自己イメージの要求水準が高すぎて、現実の自分を否定するしかなくなってしまう。しかし、そんな自分をきちんと客観視できていることについては自信があるので、他人の前で自己卑下を繰り返しながら「正気の証明」をし続けてしまう。
「自分で自分をとことん貶(おとし)めてみせる」瞬間には奇妙な快感があります。どんなに貶めても誰も傷つけず、誰からも文句を言われない――と思い込める――唯一の存在が自分自身です。その欠点も弱点もすべて知り尽くしている――ような気がする――存在も自分自身です。鋭利な刃で自分自身をずたずたに切り刻んでみせることがもたらす、一時の爽快(そうかい)感には、自傷行為と同様の依存性があるようにすら思えます。
■自己否定は「承認」を求めるアピール
彼らが無意識に行っているのは、自己否定が反論を誘発し、その反論に対してさらに感情的に反発することで、相手と「関係」することなのかもしれません。
自傷的自己愛を持つ人が、他者から向けられた好意を過大評価してしまい、その相手に強く執着してしまうこともあります。特に異性関係においては、「こんな自分でも愛してくれる貴重な他者」として過剰に執着し、相手が自分の期待に応こたえてくれないと、逆に激しく攻撃したり、ストーカーめいた振る舞いに陥ってしまう場合もあります。