匿名さん
英会話、ピアノ、体操、幼児学習とびっしりだったタケシ君は、小学校に入った時に立ち歩くなどの問題行動を見せるようになった。高学歴偏重親に小児脳科学者が訴えたい「子ども時代に習い事よりも大切なこと」(成田 奈緒子)
子どもの能力を伸ばしてあげたい――子どもを習い事に通わせる多くの保護者達は、そう考えて習い事をさせることだろう。しかし、習い事よりも大切なことがあるというのが医師で小児脳科学者の成田奈緒子さんだ。著書『高学歴親という病』では、高学歴の親が陥りがちな、「子どものため」と思いながらの問題行動について科学的に分析・解説している。そこから抜粋してお送りする3回目のテーマは「習い事」。前編では、週6回の習い事をしていたタケシ君が、小学校に入った時に立ち歩くなどの問題行動を見せるようになったことをお伝えした。後編では成田医師が親が知っておきたい「子ども時代の脳の育て方」を詳しくお伝えしていく。
しかし実は、習い事の前にきちんとした生活習慣がついておらず、すべて親がやっていたことで自主性も育っていなかったのだ。
「子どもは、親の言動を見て育ちます。早寝早起き朝ごはんを大事にしている。それを実現すべく頑張ろうとしている親かどうか、ともに生活するなかで価値観が刷り込まれていきます。
物事のとらえかた、発する言葉の内容、子どもに見せる表情、子どもとの遊びかたひとつとっても、子どもへの影響ははかりしれません」
(中略)
「からだの脳」が育つよりも先に、「おりこうさんの脳」を育ててしまう。そうすると、幼少期は親の言うことをよく聞き優秀だった子どもが、小学校高学年以降に、不登校や不安障害など、こころの問題を引き起こすリスクが高まります。
タケシ君の例でも明らかなように、脳育ての順番を軽視すると痛い目に遭う、これは事実です。