匿名さん
アルポート症候群の発症率は数千~1万人に1人程度とされ、遺伝性腎疾患の中では比較的多い。しかし、同じ病気でも遺伝子変異の現れ方はさまざまで、タイプによって核酸医薬は異なる。それゆえ、治療薬を開発しても対象患者は限られてしまう。難病の薬を開発できた…しかし、製薬会社の名乗りなく 患者は3人「救う道を」 神戸大研究グループが訴え
治療法のない腎臓の難病に、有力な薬が見つかった。だが患者は全国に3人しかおらず、商品化する製薬会社が見つからない。治療しなければ若いうちに末期の腎不全になり、
野津さんらは臨床試験(治験)に向け、該当する患者の情報を全国から募ったが、3人しか見つからなかったという。商品化しても採算は見込めず、手を挙げる製薬会社は現れていない。これまで国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から得ていた研究開発費も打ち切りが決まった。
研究グループに名を連ねる飯島一誠(かづもと)・兵庫県立こども病院長(66)=前神戸大教授=によると、米国などでは核酸医薬開発を支援する仕組みがあり、たった一人のための薬も創られた。「長期間の高額な治療費をどう支えるかも含めて、日本に適したモデルの構築が求められる」と飯島さんは指摘する。
野津さんは「核酸医薬を広げるには、細胞レベルで安全性が確認されれば動物実験を省力化できるなど、早期開発に向けた仕組みづくりが必要」と話す。