匿名さん
人手不足の現状について、森田さんは「過重労働、低賃金、人間関係」の3要素が離職につながってしまうと分析する。(略)介護業界「まともな人から辞めてしまう」 離職の3要因は過重労働、低賃金、人間関係 解決法は?
高齢化社会が進む一方で、介護業界は人手不足に悩んでいる。現場で奮闘する職員の処遇改善、介護サービスの質の向上には何が必要なのか。特別養護老人ホームなどの勤務を経て、現在は介護保険外(自費)サービス事業の会社を運営する森田雅巳さんに聞いた。
「そもそも介護保険の報酬の上限、サービスの人員基準が決まっている中で、光熱費の上昇や物価高、加えて人材派遣会社の紹介手数料なども高騰化していると聞きます。これでは、給料を上げる余地がありません。国は処遇改善のために取り組んでいるようですが、介護報酬の加算について、書類が煩雑だったり、要件が厳しかったりします。事業所は、スタッフに資格を取ってもらいレベルを向上してほしいと思っても、そもそも人員が不足しており、労働は長時間。休日出勤や残業が日常的にあって勉強どころではない。悪循環になっています。スタッフもスタッフでICT化についていけない、同一労働同一賃金を掲げて資格を取ろうともしない、そんな人もいます。人間関係がこじれ、うんざりして、まともな人から辞めてしまう。非常に難しい問題です」。
改善に向けて、森田さんは「事業所は、ICT化などをもっと進めて時間の無駄を減らすこと。スタッフのキャリアの道筋をちゃんと示すこと、取れる加算を取得すること。国はもっと労働に見合う報酬を付けることと、労働環境の改善。自分自身も経験がありますが、夜勤に入ると16~18時間勤務します。それも休憩なしです。それが黙認されています。周囲の仲間からも同様の勤務実態であることを聞いています。国はしっかり改善に乗り出してほしいと思います」と強調する。
そのうえで、職員スタッフ自身が研鑽(けんさん)を積むことの重要性を示す。「よく介護職員の給料は安いと言われますが、法人によっては400~500万円の年収をもらっている人もいます。介護福祉士で、同じ資格を持つ人たちがチームとして、ちゃんと条件をクリアして加算をもらっているそうです。自分自身の努力も大事だな、と思っています。