匿名さん
テレビ放送が始まった1953年に200円だった受信料は、現在1260円とおよそ6倍になっている。前回の記事でも述べたが、そもそも国民の資産である電波を使わせてもらっているのだから無料であってしかるべきなのに、である。「スマホを持っているなら、受信料を払え」の恐れ…NHKがネット進出を急いでいる本当の理由 国民は「NHKならやりかねない」と思っている
なぜNHKは受信料を徴収できるのか。『NHK受信料の研究』(新潮新書)の著書がある早稲田大学社会科学部の有馬哲夫教授は「現在の議論では、NHKの必須業務が放送からネットへ移っても、受信料を取り続けるということになりかねない。NHKはそう疑われてもしかたがないことをしてきている」という――。
■ネット配信なら受信料を取る根拠はなくなるが…
問題は受信料だ。放送からネットに移行したあとも、受信料はなんの変更もなくこのまま取り続けるのか、ということだ。
放送の範疇にとどまっている限りは、これまでの議論からいけば(もちろんその議論も正しくないのだが)、NHKはその事業の維持費として受信料を取ることができる。だが、放送が主体でなくなるのなら、受信料を取る根拠はなくなる。
今回のワーキンググループは、NHKはネット配信を必須業務にすべきかという論点を議論する一方で、受信料はどうするのかという論点は後回しにしている。これでは、NHKの必須業務は放送からネットへ移るが、受信料はいまのまま取り続けるということになりかねない。まさしく「スマホをもっているだけでNHKは受信料を取るようになる」が現実になってしまう。
■国民の理解なんて得ずにごり押しされる懸念
この問題を解決するもっともよい解決策は、受信料を廃止してしまうことだ。徹底的に規模縮小したうえで、ネットに移って、サブスク料と広告料と寄付と国からの交付金でやっていけばいい。地方の直営局は、経営上独立の放送局となり、広告料と寄付と自治体からの交付金で経営をまかなえばいい。それしか道はないように思える。