匿名さん
15年間放置された家は、悲惨な有り様だった。家の敷地には高さ10m超えのスギの木が生え、緑の葉が塀からはみ出している。屋根も瓦が剥がれた部分があり、雨漏りで腐ったのか、2階の床が一部抜け落ちていた。実家の解体費用「500万円」をめぐり家族が絶縁…放置した空き家が引き起こす「ヤバい事態」(週刊現代) @moneygendai
一方、相続が発生する前の段階から、実家が「空き家」になってしまうケースもある。最も多いのは、介護施設に移る時に、「いつか自宅に戻りたい」と思って家を放置するパターンだ。千葉県在住の徳永康さん(57歳・仮名)は語る。「4年前に父が高齢者施設に入居したんです。ただ、山梨県の実家はそのままにしていました」
「不動産業者からは建物は壊すしかないと言われたのですが、解体の見積もりを取って驚きました。500万円もかかるというのです」(原さん)
あまり知られていないが、長年放置された物件は解体費用も段違いに高くなるのだ。東京都足立区で空き家問題に取り組む宅地建物取引士の葛生貴昭氏が解説する。
「昔は全部壊して埋め立て地に運んでいたのですが、今はゴミとして分別することになっています。窓ひとつとっても、アルミやガラスなど細かく分けなければならない。荒れてしまった家は、解体で出るゴミの仕分けに手間と時間がかかるため、費用が嵩んでしまうのです」
解体費用の負担は、新たな争いの火種となった。折半で決着はついたものの、きょうだいはこれで完全に絶縁状態になってしまったという。