匿名さん
「心機一転、これからは真面目に生きようと考え、出所して生まれ故郷の東京に戻ってきました。まずは住む場所を探したのですが、部屋を借りられません。どうやら収入がなければ部屋を借りることはできないのです。(中略)銀行口座もないので、携帯電話やその他、なにもかもが契約できないのです。口座を作るにも収入の証明が必要と言われ、手も足も出なかったです」20年間も刑務所にいた男性が独白する「出所後の生き地獄」(白紙 緑) @gendai_biz
語ってくれたのは赤川さん(仮名)だ。前科11犯で懲役20年が求刑された。そんな彼が出所してから感じたのは再出発の難しさになる。満期で出所したのだが、元受刑者には見えない壁が存在しているようだ。
「バイトの面接を受けることにしたのですが、一向に受かる気配がありません。家の近所のコンビニ、富士そば、ラブホテルの清掃員、駐車場の管理人。自分勝手で申し訳ないですが、比較的受かりやすそうな場所を狙って申し込みました。しかし、箸にも棒にも掛かりません」
「薄々わかっていましたが、ここまでだとは思いませんでした。罪を犯したのは私なので仕方ありませんが、刑期は務めたので罪は償ったと思いたいです」
金は無くなる一方、貯金は残り約70万円。赤川さんは、「行政のお世話になるしかない」と考え、生活保護の申請をすることにした。
「ハローワークで仕事を探すのですが、私の経歴を見て職員は顔をしかめます。前科と20年の空白です。市役所でも私の経歴は話したんですが、『頑張って社会復帰を目指しましょう』と言われるだけです。ハローワークと市役所をたらい回しにされている感があり、市役所がやっていることと、ハローワークがしていることのちぐはぐ感がありました」