匿名さん
新聞やネットニュースには、これでもかというほど闇バイトで逮捕された者の記事が掲載される。それなのになぜ闇バイト応募者が減らないのか――と、疑問を持つ読者の方も多いのではないだろうか。汗水流して働くより、楽に金を稼げる仕事がしたい…「闇バイト」に応募する若者が増え続けている根本原因 「ラクして稼ぐ奴が賢い」と煽る危険な風潮
オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺で検挙される少年が増えている。龍谷大学犯罪学研究センター嘱託研究員の廣末登さんは「彼らの多くは、闇バイトの危険性を理解せず犯罪行為に加担していると考えられる。現状の対策のままでは、若者の逮捕者数は増えるばかりだろう」という――。
廣末登『闇バイト 凶悪化する若者のリアル』(祥伝社新書)廣末登『闇バイト 凶悪化する若者のリアル』(祥伝社新書)
筆者もこの点には疑問を持った。そこで、筆者が担当する大学の講義(1年生から4年生93名受講登録)の最初の授業で、学生たちに以下の質問してみた。
「この中で新聞読む人はいますか」「1日1回、ネットニュースに目を通す人はいますか」
結果は、前者が0人、後者が1名であった。限定的な調査であるが、大学生でもこの程度であるから、「若者がニュースを見ていないのではないか」という点に思い至った。
そうであれば、いくらマスコミが闇バイトの危険性を喧伝しても、彼らに伝わらないことに納得がいく。
(中略)
もちろん、過去にも犯罪に手を染める若者はいた。ただ、現代社会では、YouTubeやインスタ、TikTokなどで、キラキラした場面を切り取ってネット公開し、「お金こそが正義」「ラクして稼ぐ奴が賢い」と煽る風潮がないだろうか。こうした現実は、闇バイトを煽る結果になっているのかもしれない。