匿名さん
赤ちゃんポスト開設初日に預けられたのは「赤ちゃん」ではなく3歳児だった。そして男児が「お父さん」と呼んでいた人物は… 赤ちゃんポストの真実|話題|婦人公論.jp
“命を救う”という理念のもとで理解を広げてきた慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」。しかし2020年3月までに預けられた155人のうち、早期新生児は85人にすぎず、残りがある程度育った赤ちゃんだったとされる。...
それからわずか数時間後、病院職員は驚愕する。最初の子どもが預けられたのだ。
「赤ちゃん」ではなく、3歳児だった。キョトンとしてベッドに座っていた。男児は「新幹線で来て、お父さんにかくれんぼしようと言われた」と話したという。
当時を知る関係者によると、児相に保護された男児は、職員に「今日はここにお泊まりしようね」と言われると、「嫌だ。おうちに帰る。おうちに帰る」と言って激しく泣き続けた。
自分の靴を靴箱に入れず、手に持って離さなかった。どうしても離さないため、靴をビニール袋に入れて男児の服にくくりつけた。
部屋の入り口の扉が開く音がすると、「お父さんが迎えに来てくれた」と思って走って行き、靴を持って「帰る、帰る」と泣きながら訴えたという。関係者は「切なかった」と振り返る。
◆「お父さん」が迎えに来ることはなかった
遠い県外から預けられ、周囲には熊本弁を話す大人ばかり。言葉もなじみがなかっただろう。物心ついた子どもにとって、どれほど過酷な環境だったろうか。
3歳児の預け入れは、熊日が5月15日付朝刊1面トップでスクープとして報道した。
実は、後日談がある。4年後、この男児の「お父さん」が判明したのだ。
男児が「お父さん」と呼んでいたのは、伯父だった。男児の母親は交通事故で亡くなっていた。
男児は母親の生命保険金などを相続した。男児の未成年後見人になった伯父は、男児が相続した約6000万円をギャンブルなどで使い果たしてしまった。
困っていたところ、報道で「匿名で子どもを預けられる」赤ちゃんポストが設置されることを知る。新幹線などに乗って熊本に来て、「かくれんぼしよう」と言って男児をポストに入れ、立ち去ったという。
発覚したきっかけは、東日本大震災だった。伯父はテレビで被災地を見て、「苦しんでいる人がいるのに、自分はいったい、何をしているのだろう」と自責の念にかられ、警察に出頭し、業務上横領罪で書類送検された。