匿名さん
● 子育てへの不寛容な発言が 目立つようになった理由子育て世帯はなぜ昔より肩身が狭い?泣き声、ベビーカーにイラつく人が増えた理由
スープストックトーキョーが「離乳食の無料提供」を発表したことで、ファミリー層以外を切り捨てていると炎上。子育て世帯への支援が、思わぬ火種を生んだ形だが、ネット上では子育て世帯とそれ以外の世帯の対立、分断が広がり続けている印象だ。政府の的はずれな子育て支援も含め、日本はなぜ「子育てしにくい」と感じる国になってしまったのだろうか。
「ここ数十年で多様化が進み『自分とは違う生き方』をしている人を目にする機会が増えたことが要因ではないかと思います。多様化は認め合えれば素晴らしいことですが、そうでない場合は摩擦の原因になりかねません。どれだけ詳細に言語化されていても、自分の経験していないことをイメージするのは難しい。結婚や出産という選択をする人が少なくなっている状況下において、育児の苦労や努力は共感してもらいづらくなっていると思います」
そう話すのは公務員として働きながらSNSで育児マンガをつづる2児の父、パパ頭氏だ。
「ベビーカーが電車内で場所をとってもイライラしないおおらかさ、子供が大声で泣いても生活が侵害されたように感じないゆとり。そういう余裕を持つことが難しい社会になっていると感じます。時間の余裕や経済的余裕、精神的余裕など、多くの人が余裕を持てるような社会に変わっていかないと、他者へのおおらかさは失われ続け、日本の子育て環境はどんどん厳しくなると思います」
普段は高校教師として働くパパ頭氏。これまで二度の育休を取得してきたが、子育てに理解のある職場環境でも申請には勇気が必要だったと振り返る。
(略)育休は労働者の権利ですが、多くの人が協力してくれることを忘れてはいけないし、感謝は率先して伝えるべきだと感じました」
●「子育てはすばらしい」という 価値観を共有しづらい時代
コスパを大事にする現代人にとって、もはや「子育て」は遠い存在になりつつある。子育て世帯も子育てをしない世帯も、自分以外の生き方に目を向けて、その背景を想像できるだけの余裕が持てるようになれば、日本はもう少し他者に寛容な社会に近づくかもしれない。