匿名さん
ワンオペ育児のため燈子さんは残業がないパート社員として働いており、年収は約240万円。通帳を開いて給与が振り込まれると「自分で稼いだお金だ」と実感。生きがいさえ感じるのだが、燈子さんは夫の扶養から外れてしまい、夫から「中途半端に働くな。主婦パートは気楽で楽しそうでいいな」と、またも嫌味を言われた。子どもの習い事の費用は燈子さんの収入で賄えと、夫は言い始めた。外食はマクドナルドやサイゼリヤ、モラハラ夫と離婚できず…年収240万円「就職氷河期女性」の苦悩(小林 美希)
著書『年収443万円』は、2021年の平均年収からタイトルをとっている。昼食は220円のサンドイッチで済ませ、スタバのフラペチーノは贅沢すぎて我慢。平均年収でも、「ちょっとお茶をしよう、ランチしよう」という”普通の暮らし”ができない「安すぎる国の絶望的な生活」を追った。
それでも「いつか離婚しよう。そのためにも正社員になれるよう頑張ろう」と、家事と育児と仕事をこなしている。今は子どもに好きな習い事をさせてあげたいと、燈子さん自身は贅沢をせず、「少しでも貯金しよう」と節約生活を心掛けている。
「たまの“ご褒美”は、外食ですね。でも子どもと2人で出かけるのは、どうしてもマクドナルドやサイゼリヤが多いです」と、夫との「家庭内格差」を感じる日々だ。
(中略)
平均年収とはいっても正社員かどうか、男女で差があることで、燈子さんのように多くの非正規労働の女性にとって、厳しすぎる現実がある。燈子さんは、こう思わずにいられない。
「大学を出て頑張って仕事して。疲れ切った私に専業主婦だった時期は必要でした。けれど就職氷河期の影響は今も、そして老後にも及ぶんです。氷河期世代のなれの果てが、モラハラ夫と離婚したくても離婚できないという現実です。女性はどうしても非正規雇用が多く、マタハラにも逢いやすいし、産後はワンオペ育児に陥りやすい。女性が経済的に自立できる環境が整っていない以上、個人の努力ではどうしようもない」